札幌市議会 2020-02-25
令和 2年第 1回定例会−02月25日-02号
令和 2年第 1回定例会−02月25日-02号令和 2年第 1回定例会
令和2年 第1回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 2 号 )
令和2年(2020年)2月25日(火曜日)
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〇議事日程(第2号)
開議日時 2月25日 午後1時
第1 議案第40号から第42号まで(3件市長提出)
(3件に対する
委員長報告等)
第2 議案第56号、第57号(2件市長提出)
第3 議案第1号から第39号まで、第43号から第55号まで、諮問第1号(53件市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第40号 市営住宅(月寒団地建替F−5号棟)
新築工事請負契約締結の件
議案第41号 市営住宅(月寒団地建替F−6号棟)
新築工事請負契約締結の件
議案第42号 西2丁目
線地下自転車等駐車場整備工事請負契約締結の件議決変更の件
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 細 川 正 人
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 山 口 かずさ
議 員 しのだ 江里子
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 石 川 さわ子
議 員 長 内 直 也
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
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〇欠席議員(1人)
議 員 長 屋 いずみ
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 吉 岡 亨
副 市 長 石 川 敏 也
交通事業管理者
交 通 局 長 浦 田 洋
水道事業管理者
水 道 局 長 三 井 一 敏
病院事業管理者
病 院 局 長 向 井 正 也
危機管理対策室長 荻 田 葉 一
総 務 局 長 木 内 二 朗
まちづくり政策局長 小 西 正 雄
財 政 局 長 福 西 竜 也
市民文化局長 川 上 佳津仁
スポーツ局長 中 田 雅 幸
保健福祉局長 木 下 淳 嗣
子ども未来局長 山 根 直 樹
経済観光局長 村 山 英 彦
環 境 局 長 平 木 浩 昭
建 設 局 長 小 林 安 樹
下水道河川局長 渡 邉 多加志
都 市 局 長 佐 藤 博
会 計 室 長 大 古 聡
消 防 局 長 萬 年 清 隆
教育委員会教育長 長谷川 雅 英
教育委員会委員 佐 藤 淳
選挙管理委員会委員長 佐々木 肇
選挙管理委員会委員 宮 村 素 子
選挙管理委員会委員 猪 熊 輝 夫
選挙管理委員会委員 畑 瀬 幸 二
人事委員会委員長 常 本 照 樹
人事委員会事務局長 中 塚 宏 隆
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 出 井 浩 義
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 泉 善 行
事 務 局 次 長 奥 村 俊 文
総 務 課 長 庄 中 将 人
政策調査課長 烝 野 直 樹
議 事 課 長 川 村 満
政策調査係長 土 屋 隆 明
議 事 係 長 佐 藤 善 宣
委員会担当係長 西 川 慎太郎
委員会担当係長 中 村 憲
書 記 羽 貝 拓 己
書 記 高 橋 陽 平
書 記 吉 田 亮 太
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開 議 午後1時
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○議長(五十嵐徳美) ただいまから、本日の会議を開きます。
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○議長(五十嵐徳美) 出席議員数は、67人です。
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○議長(五十嵐徳美) 本日の
会議録署名議員として
佐々木みつこ議員、山口かずさ議員を指名します。
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○議長(五十嵐徳美) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(泉善行) 報告いたします。
去る2月18日、議長は、議案第30号 札幌市職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例案、議案第31号 札幌市議会の議員その他非常勤の職員等の
公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例案、議案第39号
札幌市立学校教育職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案につきまして、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めております。
これに対し、去る2月20日、
人事委員会委員長から、意見書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
また、去る2月19日、監査委員から、監査報告の正誤表が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(五十嵐徳美) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第40号から第42号までの3件を一括議題とします。
委員長報告を求めます。
財政市民委員長 中村たけし議員。
(
中村たけし議員登壇)
◆
中村たけし議員 財政市民委員会に付託されました
工事請負契約の締結等に関する議案第40号から第42号までの3件について、その審査結果をご報告いたします。
主な質疑として、西2丁目
線地下自転車等駐車場の整備に当たり、エレベーターの設置場所をどのように決定したのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、いずれも全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(五十嵐徳美) ただいまの委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(五十嵐徳美) 質疑がなければ、討論の通告がありませんので、採決に入ります。
議案3件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(五十嵐徳美) 異議なしと認めます。
したがって、議案3件は、可決されました。
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○議長(五十嵐徳美) 次に、日程第2、議案第56号、第57号の2件を一括議題とします。
いずれも、市長の提出によるものです。
提案説明を求めます。
秋元市長。
(
秋元克広市長登壇)
◎市長(秋元克広) ただいま上程をされました議案2件につきましてご説明申し上げます。
まず、議案第56号は、
固定資産評価審査委員会委員選任に関する件であります。
札幌市
固定資産評価審査委員会委員であります原 敦子氏は、来る3月27日をもって任期満了となりますので、その後任者といたしまして村上英治氏を選任することを適当と認め、議会の同意を得るため、本案を提出したものであります。
村上英治氏は、平成10年に弁護士の登録をされ、現在、
札幌簡易裁判所民事調停委員等をされている方であります。
次に、議案第57号は、札幌市
オンブズマン委嘱に関する件であります。
札幌市
オンブズマンであります杉岡直人氏は、来る2月29日をもって任期満了となりますので、その後任者といたしまして原 俊彦氏に委嘱することを適当と認め、議会の同意を得るため、本案を提出したものであります。
原 俊彦氏は、
札幌市立大学デザイン学部教授等を歴任され、現在、
厚生労働省国立社会保障・
人口問題研究所研究評価委員会委員長等をされている方であり、人格、識見ともに高く、札幌市
オンブズマンとして適任と考えるものであります。
以上で、ただいま上程をされました各議案についての説明を終わりますが、何とぞ原案のとおりご同意くださいますようお願い申し上げます。
○議長(五十嵐徳美) これより、質疑・討論の通告がありませんので、採決に入ります。
議案2件に同意することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(五十嵐徳美) 異議なしと認めます。
したがって、議案2件は、同意されました。
――
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○議長(五十嵐徳美) 次に、日程第3、議案第1号から第39号まで、第43号から第55号まで、諮問第1号の53件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
川田ただひさ議員。
(川田ただひさ議員登壇・拍手)
◆川田ただひさ議員 私は、ただいまから、
自由民主党議員会を代表し、本定例市議会に上程されました令和2年度予算案、その他諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問を行います。
最初に、市長の政治姿勢について伺います。
まず、財政運営における令和2年度予算編成の考え方について伺います。
令和2年度予算は、秋元市政2期目になって初めての本格予算であり、昨年12月に策定された札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2019に盛り込んだ取り組みを着実に進めるための重要な予算であります。
令和2年度一般会計当初予算は、前年度比0.7%増の1兆295億円となり、予算規模は過去最大となったものであり、歳入面では、市税収入が前年度から1.7%、57億円増の3,366億円となり、秋元市長が力点を置いてきたこれまでの経済活性化の取り組みなどの成果であり、一定の評価はできるものと考えます。
歳出面では、扶助費が前年度から4.3%、139億円増の3,367億円となり、待機児童対策などに積極的に財源を配分してきた結果ではありますが、義務的経費が予算増加の大きな要因になることは、財政の硬直化を招く懸念があり、決して手放しで喜ぶことはできないものであります。
また、今後、高齢化が加速し、扶助費のみならず、
介護保険会計を初めとする
社会保障関係の特別会計への繰出金が増加することも考えられ、昨年12月に公表の
中期財政フレームでは、期間最終年度の令和4年度の義務的経費が5,912億円であったものが、令和2年度予算を反映させた
中期財政フレームの令和4年度の義務的経費は6,015億円で、103億円も増加するとのことであります。
札幌市は、人口減少、超高齢社会というこれまでに経験したことのない時代の転換期を迎えようとしており、このような社会の変化に的確に対応し、長期的な財政の持続可能性を見据えた上で、将来世代に責任ある財政運営を堅持していくためには、市長の強いリーダーシップが必要と考えます。
そこで、質問ですが、令和2年度予算において、持続可能な財政運営を進める上で、予算編成上、どのような配慮をしたのか、その考え方をお伺いいたします。
次に、建設事業費の規模について伺います。
今回の
アクションプラン2019においては、前プランに引き続き、一般会計の建設事業費を年間1,000億円確保することになっており、建設事業費の総量を安定的に確保することは、
地元建設業界の人材確保や設備投資を進めるためにも非常に重要であります。今後、公共施設の更新需要への対応や市民生活に欠かすことができない除排雪作業など、市民生活を安全・安心して支えていくためには、
地元建設業界の役割はますます重要になると考えます。
また、我が会派では、これまでも、繰り返し、積極的な投資が雇用回復や所得環境の改善を図り、個人消費や民間投資を力強くするために必要であると主張してきたところでありますが、令和2年度予算における建設事業費は、一般会計において、国の補正予算等を活用して予算を前倒し計上した分を含めたいわゆる15カ月予算で1,180億円となり、前年度比7.9%、86億円の増を確保しているところであります。
そこで、質問ですが、まちの強靱化や都市の魅力の向上に資する取り組みなど、経済の活性化に必要な投資をしっかり行うことで税収増にさらに結びつくものと考えますが、令和2年度建設事業費の規模について、市長の認識をお伺いいたします。
次に、宿泊税の導入についてお伺いいたします。
札幌市の観光予算は、秋元市長が就任した平成27年度以降、大幅に増額されてきており、今回の
アクションプラン2019においても、市債を含む
一般財源ベースで1年平均約90億円の
観光関連事業が盛り込まれており、観光振興に力点を置いた市政運営に努めていることは大いに評価できるところであります。
しかし、近年急増している
外国人観光客向けの受け入れ環境などを充実させるためには、本市の観光予算はまだまだ十分な水準とは言えないと感じており、国際的な観光都市を目指す上で、中長期的な視点で安定的な財源を確保することが重要な課題の一つであると考えます。
近年、国内有数の観光都市では、観光振興に向けた新たな財源として、法定外目的税を導入する動きが活発化しており、平成14年の東京都を皮切りに、大阪府や京都市、金沢市で宿泊税が導入されました。また、北海道内においても、倶知安町で昨年11月から宿泊税の徴収が始まったほか、北海道や函館市、富良野市などにおいても宿泊税の導入に向けた動きがあります。
こうした状況の中、札幌市においても、昨年12月に観光振興に係る新たな財源に関する調査検討会議から、札幌市には継続的な観光振興が必要であり、その財源確保の手法として宿泊税が妥当であるといった内容の答申が出されたところであります。
そこで、質問ですが、我が会派においても、これまで、今後の
観光関連事業のさらなる拡充のため、新たな財源として宿泊税を導入すべきとかねてから主張してきたところでありますが、宿泊税の導入に関する市長の見解をお伺いします。
次に、新たな都市づくりについて伺います。
まず、第2期さっぽ
ろ未来創生プランについてであります。
我が国の、昨年、2019年の推計出生数は、前年比5万4,000人減の86万4,000人と、1899年統計開始から初めて90万人を割り込み、また、高齢化率についても過去最高の28.4%になることが見込まれるなど、少子高齢化が急速に進行しており、あわせて、東京圏への一極集中が若年層を中心に続いていることから、地方においては、特に生産年齢人口の減少による地域社会の担い手不足とともに、消費市場や地方経済の縮小なども懸念されています。
このため、国では、人口減少に歯どめをかけ、東京圏への過度な人口集中を是正し、活力ある日本社会を維持することを目的に、2014年9月にまち・ひと・しごと創生法を制定し、同年12月には、2060年に1億人程度の人口を維持するなどの中長期的な展望を示す長期ビジョンを策定し、昨年末には、2020年度から5年間の基本目標や施策の方向性を示した第2期となるまち・ひと・し
ごと創生総合戦略を閣議決定したところであります。
この第2期の総合戦略では、将来にわたって活力ある地域社会の実現と東京一極集中の是正を目指すべき将来として挙げ、四つの基本目標の中には、稼ぐ地域をつくる、地方とのつながりを築くなど新たなキーワードが盛り込まれるとともに、多様な人材の活躍推進や、地域におけるSociety5.0の推進など新しい時代の流れを力にすることが横断的な目標に据えられています。
札幌市においても、第1期プランに続き、2020年から2024年までを計画期間とする第2期さっぽ
ろ未来創生プラン(案)を昨年末に公表し、第1期と同様、
合計特殊出生率と20代の道外への転出超過数を目標数値に挙げております。
その第1期プランを精査すると、この数値目標とともに設定された
重要業績評価指標、いわゆるKPIについては、7割程度が改善傾向にあるにもかかわらず、数値目標はほぼ横ばいか、むしろ後退しているという厳しい結果となっており、新たなプランの策定に当たっては、この厳しい現実に向き合った上で、適切な見直しをしていかなければなりません。
また、
合計特殊出生率については、第1期プランの目標であった1.36を達成できていない中、次の5年間では、さらに高い1.42を目指すこととしており、また、転出入に関しては、道内からは高齢者や若年層の転入超過である一方、札幌から道外へは主に東京圏への20代の若年層の転出超過が続いている状況にあることから、目標達成に向け、市役所全体で取り組んでいくことはもとより、官民一体となった取り組みが求められると考えます。
そこで、質問ですが、第1期さっぽ
ろ未来創生プランの実績が十分に結果としてあらわれなかったという厳しい現実を踏まえ、第2期プランの数値目標の達成に向けて、現状をどのように認識し、取り組みを進めていくか、考えを伺います。
次に、次期
まちづくり戦略ビジョンについて伺います。
札幌市では、まちづくりの中長期の基本指針として、それまでの札幌市基本構想と第4次長期総合計画にかわり、2013年、平成25年からは、2022年度、令和4年度までの10年を計画期間とする札幌市
まちづくり戦略ビジョンを策定し、議会としても承認した上で、市の最上位の総合計画として位置づけられております。昨年12月には、この戦略ビジョン後半の中期実施計画である
アクションプラン2019を策定し、戦略ビジョン最終年に当たる2022年度までの取り組みの見通しが示されたところであります。
このような中、さきの市長提案説明において、2022年度を計画期間の初年度とする次期の
まちづくり戦略ビジョンの策定に着手することが明らかになり、現行の
まちづくり戦略ビジョンの最終年度、2022年度を1年度前倒しして改定するという考えが示されました。
確かに、現行のビジョンの策定作業を進めていた時期と比較しても、本市を取り巻く環境は大きく変化し、北海道新幹線の札幌延伸時期が2030年度に前倒しされ、新幹線ホームを東側へ大きく移行することとなり、これに合わせて、札幌駅交流拠点を初めとする都市のリニューアルが進み出しているところでもあり、また、冬季オリンピック・パラリンピックの招致を再度目指すこととなるなど、大きな時代の転換期を迎えているところであります。
一方で、
合計特殊出生率は、2018年で1.14と全国的に見ても極めて深刻な水準まで低下している中、本市の人口は、ここ数年のうちに減少に転じると推計され、あわせて、人口構造も生産年齢人口が急速かつ危機的なレベルまで減少することが予想されていることから、今ほど第2期未来創生プランについても伺いましたが、人口構造の激変に速やかに対応していくことが不可欠であります。
こうした変化に伴い、今後、消費市場や経済規模、税収の縮減が懸念されるとともに、社会保障費の増加も避けられない状況であり、さらには、1972年の政令指定都市移行期に集中的に整備された公共施設などの都市基盤の更新なども本格化していくという財政的にも厳しい現実に直面しており、これからの市政のかじ取りは大変困難なものになってくることは間違いのないことと考えます。
このような中で、新たな中長期ビジョンを策定するには、こういった厳しい現実に対する明確かつ的確な危機意識を持ち、それらに対応していくために、市内外、国内外の社会、政治、経済などの動きや変化、技術の進歩などに高いアンテナを立てた上で、幅広い知見を受け入れた実効性の高い戦略を検討していく姿勢が不可欠であります。
そういった意味で、市長があえて1年早めて
まちづくり戦略ビジョンを改定すると言うからには、それなりの強い危機感や思いがあってのことと期待するところでありますが、そこで、今般、戦略ビジョンを1年前倒しして改定しようとする考え方について伺うとともに、次の
まちづくり戦略ビジョンではどのようなことが重要と考え、策定を進めていくのか、伺います。
次に、札幌駅周辺のまちづくりについて、2点伺います。
まず、1点目は、札幌駅周辺の2次交通のあり方について伺います。
札幌駅は、道内最大の交通結節点であり、道都札幌の玄関口となっており、市民はもとより、道内外、海外から訪れる方々に利用されています。特に、札幌駅南口の北5西1・西2地区については、昨年10月に公表された再開発基本構想に示されたとおり、新たに建設される北海道新幹線と直結した事業として、JRグループと札幌市の2者が地権者となり、昨年11月に準備組合が設立され、吉岡副市長が理事長となり、札幌市、ひいては北海道を牽引する施設として整備方針が明らかになりました。
両街区は、JR在来線、地下鉄南北線と東豊線といった鉄道施設はもとより、市内路線バス、道内を結ぶ都市間バスや観光バス、タクシーなどの2次交通や、地下通路で移動する歩行者がおり、一大交通結節点となっております。北5西1・西2街区の再開発にあっては、利用者が不便や混雑が生じないよう、現在、そして将来の需要を見据えて必要となる交通結節機能を充実させることはもちろん、にぎわいの形成にも配慮した交通環境を実現することが重要と考えます。
さらには、北5西1街区に隣接する創成川通では、国において都心アクセス道路が道央道北インターまで検討されており、都心と道内各地域や空港とのアクセス性を向上する上で、再開発との連動も重要な課題となります。
札幌市として、2030年度末の北海道新幹線札幌延伸を踏まえて、北5西1・西2街区の再開発に着手していくわけですが、1日約40万人がJR、地下鉄、バスを利用する中で、道都札幌の顔となる札幌駅周辺をどのように発展させていくのか。この大規模プロジェクトは多くの市民が関心を寄せていると考えますし、さらには、道内外、海外のビジネスや観光で訪れる方にも札幌駅からの2次交通の利便性の向上は必要不可欠であると考えます。
そこで、質問ですが、札幌駅周辺のまちづくりを検討するに当たり、2次交通のあり方を今後どのように検討する考えか、伺います。
2点目は、札幌駅周辺のまちづくりについて、特に北5東1地区について伺います。
さきに述べた再開発基本構想では、北5東1街区との連携について、創成川を挟んだ東西市街地の一体的なまち並みやにぎわいの創出を目指すこととなっています。このことについて、我が会派は、北5西1・西2地区のみならず、創成川をまたいだ北5東1街区を含む3街区一体で検討を進め、機能分担を図っていくべきと主張してきました。
この北5東1街区は、民有地であり、地権者の意向等もある中で、札幌市としては、昨年11月に事業化に向けた支援業務にも着手し、地権者の聴取などを進めていると聞いております。また、北海道新幹線の先頭車両が北5東1地区に入ったところで停車する、いわゆる大東案に決定し、改札口も設置に向けて検討していると聞いており、この場所だけ開発がおくれてしまうと、新幹線からおりた後の移動が不便となってしまう懸念が出てくるものと思われます。また、北5東1街区より北東側の札幌総合卸センターも再開発が始まっており、創成川イーストと呼ばれている創成川東側もにぎわいを見せているところであり、今後、50年に1度、できるかできないかの大規模な再開発になるため、北5西1・西2街区と連動して北5東1地区を含めて進めていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、北5東1街区のまちづくりについて、どのような役割を期待しているのか、その考え方をお伺いします。
次に、経済活性化について伺います。
まず、建設産業の活性化のうち、さっぽろ建設産業活性化プランで解決しようとする課題と対応方向について伺います。
本市のまちづくりやインフラ整備は、1972年の札幌オリンピックを契機に一気に進んだことから、それから約半世紀がたった現在、老朽化が進んだインフラや施設の再整備、また、新幹線の札幌延伸や再度のオリンピック招致へのチャレンジなど、大きなプロジェクトも見据えた未来に向けて新たなまちづくりが急務であり、これらを中心に担う建設産業は、今後も本市にとって大変重要な産業であるとともに、加えて、冬期間の雪対策事業など、安心、快適なまちづくりを下支えする欠かせない役割を果たしてきております。
しかしながら、その重要な建設産業は、かつての公共事業の削減などにより、その産業構造が大きく影響を受け、現在も、収益構造の脆弱さ、また深刻な人手不足など極めて厳しい業界実態にあります。秋元市長も、この点を理解し、就任以来、建設事業予算1,000億円を毎年維持していることには、我が会派として一定の評価をしているところですが、それらの事業をこなすに必要な人材の確保は難しく、また、現行の入札契約制度の中で適正な利潤維持にも企業は苦心しているのが実態であります。
そのようなことから、市としては、建設産業の将来にわたる健全な体制維持に資するため、さっぽろ建設産業活性化プランを策定し、業界の活性化を図っていくとのことであり、一昨年より、業界や有識者等との意見交換や検討会などを重ね、おおむね案がまとまりつつある段階と聞いております。
このプランは、建設産業の将来を左右する極めて重要な計画となることから、単に耳ざわりのいいものを策定するのではなく、世の中の産業活動や業界の現実から目を背けずに、具体的で実効性のある対策、構造改革を目指すとともに、市としても、本市経済を活性化する当事者、プレーヤーとして、主体的な姿勢で取り組んでいただきたいと、まずもってくぎを刺しておきます。
特に、人手不足の問題に関しては、建設産業のイメージだとか、労働環境だとか、抽象的な議論に終始せず、そこに携わる人たちが生活を維持し、将来に向けて希望を持って前向きな人生設計を描けるような収益構造や業界環境を目指していく必要があることから、下請企業も含めて、適正な利益が確保できる発注額の水準など、予断を持たずに見直し、経済活動の実態に即した入札、発注のあり方を採用していく姿勢が不可欠であります。
プランに魂を入れられるかどうかは、リーダーである市長の姿勢に大きく左右されるものでありますので、まず、市長は、この建設産業活性化プランを通じて建設産業のどういった状況を解決しようとしているのか、そのために、市はどのような具体的な対応を考え、主体的な姿勢を示すのか、考えを伺います。
次に、建設産業活性化のための生産性向上に向けた取り組みについて伺います。
改めて言うまでもありませんが、昨今は人材確保が幅広い産業分野において課題となっておりますが、その中でも、建設産業は特に担い手確保が深刻な状況であります。人材確保が難しいのであれば、とるべき道は大きく分けて二つ、一つは、それでも何とかして人を確保するという方向、もう一つは、生産性を上げて少ない人員でもパフォーマンスを確保する方向、大きくこの二つの考えがあります。
成長を続けている多くの産業分野で選択されているのがこの二つ目の方法、ICTやAI、ロボットなどによる省力化、生産性の向上であり、既に5G時代を迎え、あらゆる産業分野でこういった対応は待ったなしであります。
そもそも、我が国は、諸外国に比べ、生産性が低く、日本生産性本部によると、2018年の労働生産性は先進国中最下位、OECD加盟36カ国中21位という状況であり、そういった中で、さらに、建設産業はほかの産業分野と比較しても生産性向上が進んでいる分野とは言いがたいところであります。策定中の建設産業活性化プランにおいても生産性向上を大きな方針の一つに挙げていることは一定の評価をするものでありますが、昨今の担い手不足の深刻さからすると、もっとスピードとレベルを上げて生産性の向上を進めていく必要があると考えます。
そのために必要な研究開発や設備投資は、当然、事業者側が進めていくべきものでありますが、建設産業の公共性の高さや、市民生活における必要性などに鑑みると、行政側でも、事業者の生産効率向上に向けた取り組みを積極的かつ具体的に実効性ある形で後押しをしていくべきであり、特に雪対策など北国特有の課題に関しては、単に世の中の一般のイノベーションに委ねるのではなく、地域課題として、行政も研究開発や設備投資支援にかかわる中で地域に必要なイノベーションを実現していくべきであります。例えば、本市では、経済観光局を中心にICT産業の育成を進めているわけであり、これらの取り組みから、雪対策や建設産業の課題を解決、改善に資する成果を誘導するべく試みるなど、全庁横断的に検討し得る工夫の余地はまだまだ幾らでもあると考えます。
この点について、我が会派では、中川議員の平成30年1定代表質問や29年3定決算特別委員会などにおいても、雪対策を積雪寒冷都市の課題を解決する有望な市場分野とみなして、企業活動や投資を促していけるよう、産業政策やまちづくり政策などと連動した部局横断的な全庁的な取り組みとして意識改革や体制見直しを図っていくべきと進言してきたところであります。
そこで、質問ですが、建設産業の生産性向上を具体的に実現していくためには、本市は、どのような主体性と具体性を持って臨むのか、そして、それを、プランを通じてどう示していくのか、伺います。
次に、地下鉄駅構内遊休スペースの活用について伺います。
札幌市の地下鉄は、積雪寒冷という北国特有の厳しい気候に左右されない、札幌市民が生活する上で欠かすことができないインフラであります。
交通局が平成26年に策定した札幌市交通事業経営計画では、平成30年度までを計画期間と位置づけ、これまでの間、可動式ホーム柵の設置やワンマン運転の実施など、利用者の安全性、利便性の向上や経営の効率化に取り組んできました。また、昨年6月には、その後継計画として、安全で快適なサービスの提供と持続可能な事業運営を目指すべく、令和10年度までの事業計画を盛り込んだところであり、その計画に基づく推計によると、今後の地下鉄の1日平均乗車人員は、少子高齢化や人口減少などの影響により、令和2年度をピークに緩やかに減少していくものと推計されております。さらに、来年には地下鉄開業50周年を迎え、老朽化に伴う施設の改修や更新が計画されているなど、多額の投資が必要になり、経営に与える影響が危惧されており、こうした厳しい経営環境が予想される中において、交通局では、乗車料収入以外の附帯事業による収入を増大させるべく、さまざまな取り組みを行っていると聞いております。
中でも、交通局では、市内の各地下鉄駅に出店する事業の募集を行っており、特に、多くの利用者が乗りおりする大通駅やさっぽろ駅といった都心部の地下鉄駅では、コンビニエンスストアや飲食物販売店といった多種多様な事業者が出店し、にぎわっておりますが、地下鉄駅構内に目を向けたときに、都心部以外の多くの駅においては、都心部に比べ、出店誘致を促進していく余地がまだまだあるように見受けられます。
そこで、質問ですが、大通駅やさっぽろ駅といった都心部以外の地下鉄駅における遊休スペースの活用について、これまでどのような姿勢で取り組みを進められてきたのか、伺います。
さらに、乗降人数の相違や立地条件による店舗の認知性といった個別の問題もあると思いますが、遊休スペースを有効に活用した店舗などの出店は、利用者の利便性を向上させることはもとより、地下鉄の増収対策のみならず、周辺地域の雇用創出にもつながるなど、地域経済の活性化にも資する有効な施策であることから、都心部以外の地下鉄駅においてもより積極的にこの事業を展開していくことは大変重要であると考えます。
また、札幌市では、平成29年1月から地域交流拠点等開発誘導事業の運用を開始し、駅周辺における民間都市開発の支援を行っており、今後、都心部以外の地下鉄駅周辺などにおいても開発が促進されることが期待されるところであります。その結果、地下鉄駅周辺の魅力が向上し、これまでとは違う新たなにぎわいと交流の場が生まれ、地下鉄駅の乗降人数、ひいては出店事業者の誘致にも影響を与えるのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、今後、駅構内の遊休スペースを有効に活用するに当たって、どのような課題があると認識しているのか、また、地下鉄駅構内のみに着目するのではなく、地上部の動向にも目を向け、長期的な展望をあわせ持ちながら事業展開をしていくことが求められているのではないかと考えますがいかがか、あわせて伺います。
次に、国際スポーツ都市の創造について伺います。
まず、東京2020大会への市民の参画についてであります。
本年7月24日の東京2020オリンピック競技大会の開幕まで、今日、2月25日であと150日となり、大会への期待感は日増しに高まってきております。
昨年末に決まったマラソンコースは、札幌のまちづくりの起点となった創成川や北海道庁旧本庁舎など、北海道の歴史をめぐり、都市と自然が調和するまち札幌を象徴する大通公園、中島公園、北海道大学構内を通ることから、札幌の魅力を大いに世界にアピールできるものと期待しているところであります。
大会実施に向け、実務面においては、組織委員会が札幌市や北海道、民間企業の社員の協力もいただきながら大通公園会場運営本部を立ち上げ、非常に準備期間の少ない中、コースの道路補修や大通公園の使用範囲の調整など、関係者が一体となって着々と準備が進められておりますが、オリンピック・パラリンピックを成功に導くためには、多くの市民が一体となって、いかにオリンピックにかかわるかという視点が非常に重要であります。
マラソンは、札幌のまち自体が競技会場であり、多くの市民にオリンピックを身近に感じてもらうことができる大変なチャンスであり、そして、このチャンスを生かし、多くの市民にさまざまな形で大会にかかわっていただくことで、自分たちの大会として札幌でオリンピックが行われることのすばらしさを実感していただくことができると考えます。そして、このことが、2030年冬季オリンピック・パラリンピック大会の招致機運が高まることとなるほか、10年後に札幌市一丸となって大会を実施するに当たっても、大変貴重な経験となり、札幌市というまちにとっても大きな財産になるものと思われます。
そこで、質問ですが、市長は、これまで、さまざまな場面で、多くの市民にさまざまな形で参画してもらうことが大事だと発言しておられますが、今回の東京2020大会で、市民に具体的にどのように参画していただこうと考えておられるのか、伺います。
次に、2030冬季オリンピック・パラリンピックについて、招致賛成の立場から質問を行います。
本年1月に、秋元市長は、スイス・ローザンヌへ出張し、国際オリンピック委員会のバッハ会長と会談を行い、2030年大会の招致について、札幌の意欲に感銘を受けた、開催する上での能力に疑いの余地がないとの言葉をいただいたと報告を受けております。この会談は、多くのメディアに取り上げられ、札幌市がIOCから高い評価を受けていることが国内外に広く発信されたところであり、さらに、1月29日には、日本オリンピック委員会、JOCの理事会において、2030年冬季オリンピック競技大会の国内候補地を札幌市とする決定がなされ、今後、2030年大会の招致プロセスにのっとり、JOCとともにIOCとの対話に臨むこととなったところであります。
これからIOCとの対話を始めるに当たり、我が会派が2026年招致の段階から主張してきたとおり、今後もIOC及びJOCとの信頼関係を重視しながら招致活動を展開していただきたいと考えており、また、新しい招致プロセスにおいては、早ければ来年にも2030年大会の開催地が決まるのではないかといった開催地決定時期の前倒しについての報道もなされております。この報道が現実のものとなった場合は、開催地の決定まで残された期間はわずかであり、一方で、新型コロナウイルスの不安も広まる中、本年は、東京2020大会をしっかり成功させ、2030年大会の招致活動にはずみをつけなければならない重要な一年となります。
そこで、質問ですが、市長は、2030年大会の招致に向けて、本年、2020年をどのような年として捉え、どのように招致の取り組みを進めるのか、市長の考えを伺います。
次に、北海道が所管する観光施設との連携について伺います。
札幌の観光消費額は、2018年の推計で5,780億円となっておりますが、この観光消費は、地域からの調達率が高く、雇用効果も高いことから、札幌の経済を牽引する重要な産業分野であると言えます。この経済効果をさらに高めていくためには、札幌を訪れる観光客の入り込み数を増加させることはもとより、市内の観光消費額をより重視することが重要であり、そのためには、滞在日数の長期化を目指し、市内の周遊を促進することが効果的であります。
一方、札幌市内には、国内外から多くの観光客にお越しいただいているものの、札幌市内での平均滞在日数は1.2泊から1.3泊程度で推移しており、来札観光客の多くは、札幌観光の魅力を十分に満喫しているとは言いがたいと思われます。
私は、市内周遊を促進するための取り組みの一つとして、観光コンテンツのさらなる充実が重要であり、そのためには、新たな観光資源の創出、発掘や、既存の観光資源の磨き上げといったことを積極的に展開する必要があると考えます。
こうした状況のもと、北海道は、北海道庁旧本庁舎、北海道開拓の村、北海道博物館といった多くの観光客が訪れる観光施設を持っており、札幌市では、こうした北海道の観光資源との連携もしっかりと行っていくべきであります。
また、厚別区内の野幌森林公園には、今から約50年前に、開拓100年を記念して、総工費の半分を多くの道民から寄附を募り、現在の北海道をつくり上げた先人に感謝を込めて建てられた高さ100メートルの百年記念塔があります。現在は、老朽化により、北海道庁で昨年2月に解体を決定したところでありますが、20校余りの校歌や校章、そして近隣のシンボルマークに使われていることもあり、多くの道民が反対したことで、本年度の道としての予算化は見送られ、来年度も有効利用する具体的な計画が示された場合、解体しないとの条件がついたモニュメントであります。
そして、同じ敷地内には、かつて開拓記念館と言われた北海道博物館や、開拓の村などもあり、そのほか、北海道の開拓の歴史を初め、風土や文化として道民の生活などに根づいた場所や施設などは、目立たないところでも数多く存在しております。それらについても積極的なアピールをしていくことが、札幌のよさを紹介することにつながると考えます。
いずれにしても、北海道所管の観光施設に対しては、札幌市がそのあり方などについて言及できる立場にはないものの、市内の観光資源の有効活用という観点において、北海道と札幌市が話し合う必要があるとも感じているところでもあります。世界に誇れる観光都市を目指す札幌市においては、北海道の観光施設と積極的に連携しながら札幌観光全体の魅力を充実させることにより、札幌市内の周遊を一層促進させ、さらなる観光消費の拡大を目指していくべきであると考えます。
そこで、質問ですが、北海道が所管する観光施設との連携に関する市長の考え方を伺います。
次に、新型コロナウイルス対策と経済に与える影響について伺います。
中華人民共和国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染は、昨年12月以降、現在に至るまで、世界では約8万人を超える患者が発生している状況で、世界中に感染が広がっております。日本においても、2月13日、国内初となる80歳代女性が死亡し、家族の方も感染していることが判明するなど、国内で感染の広がりが危惧されており、道内において、昨日までに30人の方の感染が報告され、札幌市においても、先週以降、広がりを見せ、現在、6名の方の感染が報告されている事態となっており、市民は、どのような経路で感染しているか、もっと有効な予防策がないかなど、さらなる情報を求めています。
また、各種イベントの主催者も、限られた情報の中で開催の適否の判断が求められており、先日も、札幌でのスペシャルオリンピックスが苦渋の選択で中止を決めたところであります。新型のウイルスであるがゆえに、現時点では、病原性や感染力などわからないことが多々あるものと思いますが、無用な混乱を防ぐためにも、今こそ拡大防止・抑制に向けた姿勢や考え方をしっかりと示していくことが重要であると思います。
そこで、質問ですが、市民生活に影響を及ぼしかねない新型コロナウイルスの感染拡大を防止する上で、現状をどのように認識し、どのように対策をしていくのか、伺います。
また、国外への団体旅行の中止など、中国政府による国を挙げての感染者の封じ込め策により、日本と中国を結ぶ空の便も激減するなど、本市経済面への影響も強く懸念されるところであります。
2月3日には、秋元市長から、3月末までに13万3,000人の市内宿泊施設へのキャンセルが予想され、これに伴う観光消費の減少額が約64億円と推計されるとの発表がありました。1月31日から2月11日まで開催された札幌市にとって最大のイベントであるさっぽろ雪まつりにおいて、来場者数202万人と、前回より71万人、約30%の減少となりました。こうした観光客の減少は、観光関連産業であるホテル、旅館など宿泊業、観光貸し切りバス、タクシー等の運送業はもとより、小売業、飲食業など、これらの事業者との取引を行う幅広い業種に影響を及ぼすものと考えられます。
本市では、これまで、インバウンドの拡大に向けた取り組みに力を入れており、近年、外国人観光客の増加を見ても、その成果が着実に上がってきたところでありますが、反面では、このような取り組みは、その国の経済状況や時勢に左右されやすく、今回のコロナウイルスの問題はこれが顕著にあらわれた例だと考えます。また、観光業が札幌経済に与える影響の大きさを考慮すると、予防・拡大対策重視から観光客を呼び戻すための対策へと、攻めの姿勢を打ち出すタイミングをしっかりと検討していくことが必要と考えます。
そこで、質問ですが、新型コロナウイルスの市内経済への影響を現状ではどう捉え、今後、それらにどのように取り組んでいくのか、認識を伺います。
次に、地域振興の推進について伺います。
まず、町内会に関する条例についてであります。
町内会への加入促進に向けた条例の制定について、我が会派では、昨年第3回定例会の代表質問において、どのように進めていこうと考えているのか、その検討状況、また、理念条例である前提を一旦白紙に戻し、市民との対話に向き合い、その上でどういった性格の条例がふさわしいのか判断したほうがよいのではないかということを質問いたしました。
市長からは、条例素案の見直しに加え、実効性のある取り組みをあわせて提示し、議論を進めていく必要があることから、まずは、町内会支援につながる施策について整理、検討を進めていく旨、また、市民との対話による条例内容の判断については、条例について強制力を持たせることは適当でなく、条例を担保するものとして具体的な支援策の検討をあわせていくことで町内会の存続を図っていくという考えから、地域との対話を通じ、さまざまな意見を伺いながら、支援策もあわせて議論していきたいとの答弁でありました。
また、支援策について、全庁横断的な検討を開始しているとのことであり、条例の検討については着実に進められているようでありますが、一方で、地域の側からは、条例素案が示された後の情報提供が行われておらず、長期間、何も動いていないように見えているとのことであります。
市長は、条例の検討について丁寧に進めると発言しており、整理に時間がかかるものと理解はできますが、行政は、地域に寄り添い、条例検討の状況が見えるようやっていく責任があるのではないかと考えます。丁寧でありながらもスピード感を持つこと、見える形でキャッチボールしていくことが市と地域との信頼関係につながると考えます。
そこで、質問ですが、町内会に関する条例の検討に際して、市長は、どのような地域との対話を進めていこうと考えておられるのか、町内会の支援策の検討状況も含め、お伺いします。
次に、マンション対策について伺います。
昭和40年代後半から供給が進んだマンションは、年々老朽化が進むなど、今後は多くのマンションが老朽化に直面していくことが想定できます。札幌市内のマンションは、平成27年度の実態調査時において3,670棟であり、そのうち約1,400棟が築25年以上の高経年マンションであり、次回予定の令和2年度実態調査時は約2,160棟が築25年以上のマンションとなります。
マンションは、あくまで民有地かつ個人所有であり、行政が介入するのはふさわしくないという、またさまざまな意見、限界もありますが、市内約27万戸と言われるマンションの住民は、現に市民であり、例えばマンション敷地内外のコミュニティーのあり方や災害対応などは重要な市政課題ではないでしょうか。
また、高経年マンションは、ふだんの維持管理の上に、長寿命化や建てかえに直面し、こうしたことは、一義的に管理組合の責任とはいえ、その際に、住民である市民が路頭に迷う状況がないよう指導・助言することは、自治体としても、私は必要であると考えております。
国においても、老朽化したマンションが一層急増するために、国交省は、自治体が管理に関与できる法的根拠をつくり、自治体が問題を抱える物件を掌握し、マンション管理士なども交えて改善を指導する制度創設といった方針を固めるなど、マンション対策は決して民間のみの問題でないことは明らかになってきております。
札幌市は、マンション支援事業として、管理相談、講習会、5年間隔の実態調査を実施していますが、この調査でも回答率が約32%と低調であり、回答のないマンションの実態は不明確なままであります。このままでは、マンション内の市民の困難が山積みするおそれや、また、マンション近隣の地域課題に波及することにもなりかねず、今のうちから何らかの手だてを、民間の専門家集団と協力しながら、横浜市や名古屋市が管理組合に求めているマンション管理状況の届け出制度などを設けるなど、早期に対策を進める必要性がございます。
そこで、質問ですが、マンションについて、本市はどのように認識しているのか、伺います。
また、精度を高めた実態調査など情報収集や分析を早期に行った上で、マンション対策を実行する体制を整え、施策を構築していくべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、高齢者の地域見守りについてでございます。
高齢者の地域見守りについて、さまざまな検討課題があるわけでございますが、民生委員や、福祉のまち推進事業以外でも、独自に高齢者見守り活動を行っている団体やグループがあるわけであります。単身高齢者世帯の増加に伴い、こういったそれらの団体の活動が、ますます、私は重要になると考えますがいかがか、お伺いいたします。
次に、教育環境の推進についてであります。
1点目は、小中一貫した教育について伺います。
この小中一貫した教育について、本市においては、昨年度策定した札幌市教育
アクションプランの基本施策の一つとして、一貫性、連続性のある教育活動の充実を挙げ、子どもの継続した成長を支えるため、学校種間の連携を推進することと承知しております。
このたび、教育委員会では、有識者、保護者、学校などの関係者で構成した検討委員会で、札幌市小中一貫した教育基本方針を策定し、市内の学校に通知したとのことであり、我が会派として、この方針を足がかりとし、小学校から中学校への環境の変化に伴う学習面やさまざまな中1ギャップなどの解消が促進され、小学校、中学校の教育がこれまで以上に円滑に行くものと考えているところであります。
そこで、質問ですが、札幌市小中一貫した教育基本方針に基づき、今後どのようなことに重点的に取り組むのか、伺います。
2点目は、教育におけるICTの推進について伺います。
これらの、子どもたちの情報を活用できる力を身につけることがこれから重要であり、積極的にICTを活用することが求められております。我が会派では、ICTの活用により、教育効果の一層の充実を図ることができると考え、令和元年の決算特別委員会において、本市におけるタブレット端末の整備の状況、各学校でさらに活用されるための取り組みについて質問し、タブレット端末の整備を計画的、段階的に進めていくことや、学校における効果的な活用を促進するため、タブレット端末の活用に関する事例収集や、また取り組みの成果の周知を行っていることを確認したところであります。
また、そういう意味において、これから重要なことは、OECDの学校調査など、これから、このICTについての教育やGIGAスクールなどの構想なども必要なことから、ICTを用いて子どもにどのような力を育んでいこうと考えているのか、今後の方針と取り組みについて伺います。
最後に、厚別区の課題として、地下鉄新さっぽろ駅周辺の今後のまちづくりについて、1点お伺いします。
北海道日本ハムファイターズの新球場建設構想では、ボールパークに向けて北広島市で今作業が進められているわけであり、札幌市としても、オール北海道ボールパーク連携協議会を設置している中において参画しているわけでございます。
厚別区は北広島市と隣接し、新さっぽろはJR、地下鉄、バスターミナルが集中しており、今後、札幌市民がボールパークに向かう際、地下鉄からJRやシャトルバスに乗りかえるなど、新さっぽろが交通拠点となる可能性が高いと考えられます。また、にぎわいをまちにつくるためにも、そういったものを生かしながら、新さっぽろ駅周辺のまちづくりなども連動して、今後の活性化が望まれるところであります。
このように、厚別区として再整備との相乗効果を最大限生かすためにも、札幌市民がボールパークへアクセスする際、シャトルバス発着場所を用意するなど、スムーズな乗り継ぎ環境を整えることが重要であり、そのことにより、人々が立ち寄り、にぎわう環境が生まれることとなり、地域経済にも大きく影響を与えるものと考えます。
そこで、質問ですが、ボールパーク開業を見据え、札幌市も、さきに述べた協議会に参画し、連携を図っていると思いますが、現在、どのような協議がなされているのか、伺います。
また、新さっぽろにおける乗り継ぎ利便性の確保、さらには、駅周辺のまちづくりに向け、どのように取り組む考えか、伺います。
以上で、私の質問を全て終了させていただきます。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(五十嵐徳美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく5項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、私の政治姿勢についての1項目めの財政運営についてお答えをいたします。
まず、1点目の令和2年度予算編成の考え方についてであります。
令和2年度予算は、私の2期目最初の本格予算として、
アクションプラン2019に掲げた政策目標の実現に向け、計画事業費を積極的に予算計上するとともに、喫緊の課題への対応として、プラン外の取り組みについても事業化をしたところであります。
一方で、事務執行の効率化や市税収納率の向上など事務事業の見直しを実施するとともに、
中期財政フレームに基づく予算編成を行った結果、基金活用額及び市債残高につきましては、
アクションプラン策定時の想定を下回る水準に抑制するなど、財政規律の堅持に努めたところであります。このように、必要な投資は行いつつ、将来世代に過度な負担を残さない、持続可能な財政運営にもしっかりと配慮したバランスのとれた予算編成ができたものと認識をしております。
2点目の建設事業費の規模についてであります。
令和2年度の一般会計の建設事業費につきましては、道路や橋梁を初めとしたインフラの計画的更新や都市の強靱化を着実に推し進めるとともに、民間投資の誘発につながる再開発事業についても積極的に盛り込んだ結果、このたびの補正予算を加えたいわゆる15カ月予算では1,180億円を計上したところであります。
今後、公共施設の更新需要が本格化いたしますが、公共施設マネジメントの取り組みにより建設事業費の平準化を行うとともに、再開発事業など将来の税収増に資する事業については、積極的に投資を行うべく、必要額を予算計上してまいりたいと考えております。
3点目の宿泊税の導入についてであります。
観光は札幌の経済を牽引する基幹産業であり、札幌市が観光都市として成長し続けるためには、観光客の受け入れ環境を一層充実させるとともに、都市機能と自然環境が融合する札幌の強みを生かし、観光資源の魅力向上を図っていく必要があるものと認識をしているところであります。
そのためには、一定の安定した財源の確保が必要であるとの考えのもと、その財源のあり方について、有識者による検討会議を設け、諮問を行いましたところ、宿泊者の受益に着目して課税する宿泊税が妥当であるとの答申をいただいたところであります。
観光振興は基本的に基礎自治体が担うべきといった答申の内容を十分踏まえ、札幌市の観光のより一層の発展を図るため、このたび、宿泊税を導入することとし、今後は、課税対象や税額、徴収方法といった制度の詳細について、より具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
私の政治姿勢についての2項目めの新たな都市づくりについてお答えをいたします。
1点目の第2期さっぽ
ろ未来創生プランについてでありますが、第1期のプランでは、安定した雇用の創出と安心して子どもを産み育てられる環境づくりによって、人口減少の抑制と経済の活性化を図る好循環の実現を目指し、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。
数値目標とした出生率や若者の道外転出超過数は達成に至っておりませんが、その改善に向けて、雇用や所得状況、さらに、結婚、出産に対する考え方の変化等を踏まえた取り組みを粘り強く、かつ、弾力的に進めることが重要であると認識をしております。
そのため、第2期のプランでは、企業と連携をしたインターンシップや地元就職を促す経済的支援など、若者へ直接的に働きかける取り組みに力を入れてまいります。また、子ども医療費助成の拡充や人材の確保も含めた保育の受け皿拡大など、子育て世代の負担軽減や保育サービスのさらなる充実を図っていく考えであります。
プランの推進に当たりましては、官民で情報を共有し、連携をさらに深めながら、数値目標の達成に向けてオール札幌で取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の次期
まちづくり戦略ビジョンについてであります。
札幌市は、ここ数年のうちに人口減少に転じることが見込まれるなど、時代の大きな転換期を迎えており、こうした中では、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせる基盤づくりと、足腰の強い経済を維持・向上することを基本としながら、魅力と活力を創造し続けるまちづくりを進めることが重要であると認識をしております。
このため、招致を進めている冬季オリンピック・パラリンピックなどの大規模スポーツイベントや、北海道新幹線の札幌延伸を見据えた都市のリニューアルなど、今後のまちづくりの中核となるプロジェクトを環境負荷の少ない社会や共生社会などの実現につなげながら、総合的、計画的かつ速やかに進めていく必要があると考えているところであります。
こうした新しい時代に対応した札幌市のまちづくりを次の100年の出発点となる2022年からスタートするため、ビジョンの改定に着手するものであります。次期ビジョンの策定方針につきましては、年内をめどにお示しをし、市民や議会の皆様とともに議論を進めながら策定を進めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の札幌駅周辺のまちづくりについてであります。
まず、新幹線札幌駅からの2次交通のあり方についてでありますが、札幌駅周辺地区は、北5西1に新幹線札幌駅が配置され、多様な交通モード間の結節機能を担う拠点となりますことから、新幹線からの2次交通のあり方の検討は重要であると認識をしております。昨年10月に策定をした基本構想を踏まえて2次交通に関する検討会などを立ち上げたところであり、学識経験者や交通事業者、関係行政機関に参画をいただき、これらの方々の知見を得ながら検討を進めていきたいと考えております。
次に、北5東1街区についてでありますが、北5東1街区は、北5西1・西2地区と連携、調和した開発がなされることにより、駅前のにぎわいや活力を創成東方面に波及させる起点となるエリアと認識をしております。具体的には、北5西1・西2地区との歩行者動線の連続化や駅周辺エリア全体を見据えた交通機能の分担、緑のネットワークの形成といった役割が果たされることを期待しているところであります。
次に、3項目めの経済活性化についてお答えをいたします。
1点目の建設産業の活性化について、まず、さっぽろ建設産業活性化プランで解決しようとする課題と対応方向についてでありますが、建設産業は、社会資本の整備や維持を行うとともに、災害発生時の応急対応や除排雪作業を担うなど、安全・安心な市民生活を支える地域の守り手であり、重要な産業であると認識をしております。
しかしながら、一部には、依然として仕事内容や処遇においてマイナスイメージを持たれるなど、就職先として敬遠され、就業者数の減少が続いている状況にございます。このため、建設産業の魅力発信や企業の人材確保・育成、働き方改革の促進、経営基盤の強化、生産性の向上などをプランに掲げ、企業や業界団体と札幌市が課題解決に向けた目標を共有し、両輪となって取り組みを推進していくことで建設産業を活性化していきたいと考えております。
次に、建設産業活性化のための生産性向上に向けた取り組みについてであります。
建設産業の人手不足に対応していくためには、担い手の確保とともに生産性向上は不可欠であり、本プランの基本目標の一つとして位置づけているところであります。具体的には、新技術の動向にも注視しながら、除排雪や建設現場などへのICTの活用を図るとともに、工事書類の簡素化など効率化や省力化につながる取り組みをプランに示すことで、企業や業界団体と連携をして生産性の向上を進めていく考えであります。
次に、地下鉄駅構内遊休スペースの活用についてであります。
まず、これまでの取り組みについてでありますが、地下鉄駅構内を有効に活用することは、利用者の利便性向上とともに地下鉄事業の収入にも寄与するものと認識をしており、交通局では、民間事業者の事業提案により出店者を公募する駅ナカ事業を全ての駅で展開し、駅構内の活用を積極的に進めてきたところであります。
課題と今後の展開についてでありますが、駅構内の出店に当たりましては、保安上の各種規制や事業者が重視する駅利用者数などから、店舗の形態が制限されることや出店希望駅が偏る傾向があることなどを課題として認識をしております。
一方、駅周辺におけるまち並みの変化によっては、駅を往来する人の流れや駅構内の店舗に対する需要の増加が見込まれる可能性もありますことから、今後、駅周辺の動向も視野に入れ、市場調査等を実施するなどしてまいりたい、このように考えております。
次に、4項目めの国際スポーツ都市の創造についてお答えをいたします。
まず、1点目の東京2020大会への市民の参画についてであります。
大会成功のためには、着実な準備はもとより、一人でも多くの市民に参画いただくことが重要だと考えております。マラソン、競歩の追加を機に、新たにボランティアとして多くの市民にご活躍いただくほか、SNSを活用した市民によるコースの魅力発信や、マラソンコースでのウオーキングイベントへの参画、さらには、各国の国旗やメッセージを書き込んだ手づくりうちわを作成してもらい、沿道応援していただくなど、大会に参画したという実感が得られる機会を数多く創出していきたいと考えております。
また、町内会や大学、企業など多くの方から沿道の植栽や清掃活動などの協力の申し出をいただいておりますことから、その活動をサポートするなど、市民とともに今回のオリンピックの盛り上げを図ってまいりたいと考えております。
2点目の冬季オリンピック・パラリンピック招致についてでありますが、まずは、東京2020大会を成功させることで札幌の大会運営能力を示すとともに、大会に合わせて訪問される多くのスポーツ関係者に、札幌、北海道の魅力をアピールし、2030年大会招致につなげるためにも、本年は極めて重要な一年になると認識をしております。
また、東京2020大会に向けては、メディア、経済界、アスリートなどと連携をして盛り上げを図り、オリンピック・パラリンピックへの関心を高めることで、2030年大会招致の機運も醸成してまいりたいと考えております。
その上で、近く開催をされますIOCとの継続的な対話を通じて、開催概要計画の検討を進めるとともに、年内には、市民の意向調査を行いつつ、国や経済界と一体となった招致体制を構築し、オール
ジャパンによる招致活動を展開してまいりたいと考えております。
次に、5項目めの北海道が所管する観光施設との連携についてお答えをいたします。
北海道は、北海道庁旧本庁舎を初めとする知名度の高い観光資源を市内に有しており、これらと札幌市や民間事業者などが持つ観光資源が連結することによって、魅力的な周遊コースの創出につながるものと認識をしております。
これまでも、民間事業者において共通チケットの販売や定期観光バスのルートへの組み込みがなされてきたほか、札幌市としても観光案内所や観光ウェブサイトで情報発信を行うなど、北海道が持つ観光施設も含めた観光振興を進めてきたところであります。今後も、集客力の高い市内のイベントや国内外における観光プロモーションの場において、引き続き、北海道と札幌市が相互に連携をしながら札幌の魅力を発信し、市内周遊の促進につなげてまいりたいと考えております。
次に、6項目めの新型コロナウイルス対策と経済に与える影響についてお答えをいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
国内における感染拡大が続いており、札幌市におきましても、昨日までに6例の感染者が確認されていることから、市中感染の様相を呈してきているものと認識をしております。
このような状況の中で、2月22日に有識者の方からのご意見を伺った後、第3回札幌市感染症対策本部会議を開催し、札幌市が主催する不特定多数の方が集まるイベントなどを、当面3週間程度、原則、中止、延期することとしたところであります。札幌市以外が主催をするイベントにつきましても、参加者や運営者等の関係者の安全を最大限考慮し、開催について検討いただくよう求めてまいりたいと考えております。
また、高齢者や子どもたちが利用する施設に対し、不特定多数の方の出入りを極力抑え、不要不急の外出や面会を控えるなどの配慮をお願いしております。
さらに、市有施設で感染が判明した場合は、施設の閉鎖等の措置をとるとともに、消毒など必要な措置を徹底することとしており、市有施設以外においても同様の対応をお願いしているところであります。
以上の点について、改めて指示をしたところでありまして、今後とも、市民の皆様に冷静に対処していただけるよう、よりわかりやすく正しい情報提供に努めてまいります。
次に、市内経済への影響とその対応についてであります。
市内経済への影響につきましては、既に中国からの観光客の減少による観光関連産業への直接的な影響が出ておりますほか、中国国内の生産の落ち込みによる物流の停滞や消費マインドの冷え込みといった間接的な影響も懸念されるところであります。
こうしたことから、先月29日に緊急経営相談窓口を開設するとともに、観光事業者を初めとする中小企業の資金繰りなどを支援するため、今月7日には新たな融資制度も設け、セーフティネットの構築に全力で取り組んできたところであります。
観光需要の回復に向けた取り組みの実施につきましては、感染状況などを慎重に見きわめながら判断をしてまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(五十嵐徳美) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、3項目めの高齢者の地域見守り活動についてのご質問にお答え申し上げます。
地域における見守り活動は、高齢世帯、とりわけ単身高齢世帯の増加が続いている現状におきましては、ますます重要になると認識するところでございます。福祉のまち推進センターなどの地域の方々や協定を締結した宅配業者等の民間事業者による見守り事業など、引き続き、さまざまな方の協力を得ながら重層的な見守り体制の充実に取り組んでまいりたいと考えるところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、5項目めの厚別区の課題、地下鉄新さっぽろ駅周辺の今後のまちづくりについてお答えをいたします。
最初に、オール北海道ボールパーク連携協議会における協議状況についてであります。
昨年7月に第1回目となる協議会が開催され、その中で、今後、ボールパーク構想に関する情報を共有することや、これに伴う諸課題の解決に向けた協議を分科会形式で行っていくことが確認されたところであります。その後、スポーツ・人づくり分科会や交通分科会など四つの分科会が設置され、それぞれ2回にわたる会議の中で各種課題に関する協議を行っているところであり、札幌市としても引き続き連携を図ってまいります。
次に、新さっぽろ駅周辺の乗り継ぎ利便性の確保、さらには、駅周辺のまちづくりに向けての取り組みへの考え方についてであります。
これらについては、今後のオール北海道ボールパーク連携協議会における協議の進捗等を注視しつつ、必要に応じて対策を検討することとしております。例えば、新さっぽろ駅前広場におきましては、交通機能を高めるための改修を令和4年度、2022年度までに行うこととしておりまして、ボールパークへのシャトルバスが発着可能なバスバースの整備も行う考えでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、2項目めの地域振興の推進について答弁させていただきます。
まず、1点目の町内会に関する条例についてであります。
支援策につきましては、これまで寄せられましたさまざまなご意見や町内会向けのアンケートをもとに、例えば、除雪やごみ、担い手不足など七つのテーマから抽出をいたしました検討課題について、支援の方向性を整理したところでございます。
令和2年度は、条例素案の見直しに加えまして、実効性のある支援策を検討するに当たり、より地域からのご意見を反映したものとするため、それぞれの案の内容を固める前に、各地域の連合町内会へ出向きまして、町内会の皆様から意見を伺い、それを踏まえた案を作成する予定としてございます。
加えまして、町内会にとどまらず、広く市民からもご意見を伺う機会としてワークショップを実施するなど、地域との対話を行いながら丁寧に条例素案と支援策案の検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
2点目のマンション対策についてであります。
まず、認識についてでございますけれども、都市型の居住形態として定着してございますマンションは、良質な住宅ストックとして適切に維持されることが重要であると認識をいたしてございます。また、今後、築年数のたちましたマンションが増加してまいりますことから、管理が行き届かないなどの問題を抱える可能性が高まり、維持管理の適正化や改修、建てかえに向けた取り組みがより重要になってくるものと考えてございます。
これらを踏まえまして、令和2年度に実施予定のマンション管理実態調査におきまして、現時点での課題を詳細に洗い出すなど、より精度を高めながら関係団体との連携体制や施策の構築について検討をしてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、4項目めの教育環境の推進についてお答えをいたします。
まず、1点目の小中一貫した教育についてでございます。
子ども一人一人に生きる力をより一層育むためには、小学校と中学校が切れ目のない連続性、系統性のある教育を9年間で一貫して推進することが重要であると認識をしております。このため、この2月に策定をいたしました基本方針におきましては、小・中学校の組み合わせを教育委員会が定め、そのまとまりを生かして、教職員が校種の枠を超えて連携・協働する小中一貫した教育を全ての小・中学校において実施することといたしました。
今後は、学ぶ力を一層高めるための課題探究的な学習や、継続的に子どもの育ちを支援する子ども理解に重点を置いて、小・中学校の教職員が互いに経験や知見を生かした取り組みを進めてまいります。具体的には、9年間を見通したカリキュラム編成や、小学校高学年における教科担当制を見据えた専科指導の確立、不登校支援の一層の充実など実効性のある取り組みを通して、知・徳・体の調和のとれた育ちをより確かなものにする教育に努めてまいります。
2点目の教育におけるICTの推進についてでございますが、教育委員会では、札幌市教育振興基本計画の基本施策に教育の情報化を位置づけるとともに、ICTを活用した情報活用能力の育成に向け、教育の情報化推進方針を策定し、ICTの整備と活用を推進してきたところでございます。
来年度から、順次、小・中学校に1人1台のタブレット端末を整備する予定であり、子どもが多様な情報にアクセスし、さまざまな人と双方向にやりとりをして考えを深める学習活動等をこれまで以上に進めることができるものと認識をしております。
今後、管理職を対象とした説明会を行うほか、各学校にICT活用担当者を置き、好事例の普及や校内研修の体制を整備するなど、教職員が新たなICT環境の活用について理解を深め、積極的に取り組む環境を整えてまいります。
これらのことを通して、情報化推進方針に基づくICTを活用した教育活動の充実を図り、子どもたちの思考力、判断力、表現力など学ぶ力のより一層の向上に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
(川田ただひさ議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(五十嵐徳美) 川田議員。
◆川田ただひさ議員 いろいろとご回答いただきまして、ありがとうございました。
市長からも、また、ほかの副市長、教育長からもお話がございましたけれども、教育の小中一貫問題、またはマンション、または高齢者の見守り活動など、今までの時代とはまたちょっと違った、市民のいろんな多様な価値観などもございますので、やはり、この組織体制のあり方など、これから特にマンションや、高齢者の見守り活動など、特に時代を感じた形で組織体制を変えていただくことは、これからもお願いしてまいりたいと思っているところでもございます。
そこで、再質問をさせていただくところでございますけれども、新型コロナウイルスについてと、それから、新さっぽろのまちづくりについて、大きく2点再質問させていただきます。
この新型ウイルスについて、先ほど市長からさまざまな取り組みをされているということで、3週間程度、大きなイベントなども中止せざるを得ないような状況となっているわけでありますけれども、やはり一方では、これがどれだけ長く続くかによって、経済への影響というのが深刻な状況にもなってくるわけでございます。
また、このコロナウイルスについても、新型ウイルスについても、まだその中身についていろんな諸説があって実態が解明できていないということもあって、そういったところが非常に不安感を感じられるところではございますが、やはり、一番大きな不安は何かといいますと、ことしはオリンピックを抱えているわけでございます。これは、日本全体、札幌市も当然のことでございます。
アメリカの疾病対策センターなどにおいても、レベルがどんどん上がってくる状態になってしまうと、ちょうど3月、4月というのは各国がオリンピックに向けていろんな準備作業をする中において、日本は大丈夫なのかどうなのかということで、やっぱりいろいろと検討する形となって、ほかの国では、いろいろと渡航を少し注意しようとかという動きも、日本に渡航するときには注意しようという動きもある中において、1カ国でも選手生命のことを考えてボイコットをするということがあったら、ドミノ式に、これはオリンピックができないという状況にもなりかねない。これは、多分、政府も考えているとは思うんですけれども、やはり、そういう状況の中において一番大事なことは、やはり感染の発生源である中国ですね。ここと、一時的に、出入国を、私は、しっかりと停止して、そして、感染源ルートというものをしっかりと調査して、そして、洗浄していって、そして、しっかりと国際的な信用を得る、私は、このことも一つ重要かと思っておりますし、ほかの地方自治体の中においても、もっと国において積極的な姿勢をとってほしいということを要望しているところでもあります。
本日、国において一つの方針が出るようではございますが、市長としては、やはり、国に対して、また、さらなる感染症に対しての積極的な対策をしていただくように、私は要望すべきであると考えているところではございますが、この点について、例えば出入国の部分であるとか、または、感染症や新型ウイルスについて、これは指定を受けていないんですね、まだ。国の、要するに、コロナウイルス、新型ウイルスについて、まだ特措法とかについても指定を受けていないなど、いろんな法的な、きょう、どうなるかわかりませんけども、整備もあると思いますので、こういった部分について積極的な姿勢をとるよう、国に要望する気はないかどうかという点についてお尋ねしたいところでございます。
また、新さっぽろ駅周辺については、先ほど、バスの部分について、バスバースと言うのですかね、そういったところのお話もあったところでございます。
しかし、やはり、これから、新さっぽろ駅周辺も今工事中でさま変わりする中において、これから重要なことは、いかにして、商店街を初め、活性化していくかということも私は重要かと思うところであります。
今、ボールパークの協議会についても、ハードの面でのいわば協議には参画しているわけでございますが、いろんな分科会の中で、やっぱり、観光であるとか経済であるとか、こういった部分について参画をしていないというところもありますので、やはり近隣の市町村との連携を持って、厚別だけじゃなく、札幌の活性化にもつなげていくという意味において、さらなる、私は、積極的な支援をしていく、または対策をしていく必要性があると思いますが、その点についてもどのように考えているのか、お伺いするところであります。
○議長(五十嵐徳美) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 私のほうからは、新型コロナウイルスの関係についてお答えをさせていただきます。
現在、国内での感染が広まってきている、そういう状況の中で、いかに、市中感染、これ以上の国内での感染を拡大させないということ、この拡大を防止させていくということが重要であろうというふうに思っております。
そういう状況の中で、先ほどお答えをさせていただきましたように、不要不急の外出を控えるなど、やはり、お一人お一人に注意をしていただくことが重要だろうというふうに思っております。
そして、この状況を早く終息させていくことが、国際的に安全な国であるということを認めていただくことになるのだろうというふうに思いますので、まずは、この国内感染、今の感染拡大を防止させていくということに力を入れて、必要な施策、こういったことについて国に対しても要望していきたいというふうに思います。
一方で、入国制限等、このことにつきましては、海外からの感染拡大ということになりますので、これらについては国において適切に措置されるものと考えております。
○議長(五十嵐徳美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 新さっぽろ駅周辺のまちづくりに関しまして、バスバースのようなハード面の整備だけではなくて、ソフト面についても行っていく必要があるのではないかとのご質問でございます。
2023年、令和5年の新球場開業に向けまして、四つの分科会で協議が進められているところでございますので、商店街など地域の盛り上がりの声などにも耳を傾けながら、ソフト面の取り組みについても必要に応じて対策を検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) ここで、およそ30分間休憩します。
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休 憩 午後2時38分
再 開 午後3時10分
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◎副議長(桑原透) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
村上ゆうこ議員。
(村上ゆうこ議員登壇・拍手)
◆村上ゆうこ議員 私は、民主市民連合を代表して、秋元克広市長が今議会に上程されました諸議案並びに諸課題について、順次、質問いたします。
初めに、財政運営について、2点伺います。
1点目は、2020年度予算案で特に力を入れた施策についてです。
2020年度予算は、秋元市政2期目における初めての本格予算であり、昨年12月に策定した札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2019の計画事業を着実に実施し、公約に掲げた施策を実現していくためのスタートとなる重要な予算と認識します。
札幌市の財政状況は、
アクションプラン2019で示した
中期財政フレームのとおり、今後、扶助費や公債費の増加だけではなく、公共施設等の更新需要やまちのリニューアルに伴う財政需要の増加が見込まれています。
さらに、
中期財政フレームを作成する際に見据えた15年間の長期的な財政見通しにおいても、2024年度以降の建設費や公債費が増加するなど、引き続き厳しい財政運営が見込まれています。
このような状況の中、提案された予算案では、安心して暮らせるまちづくり、女性の活躍を応援し、子どもが健やかに育つまちづくり、人材を育み成長を続ける躍動のまちづくり、魅力と活力にあふれるまちづくりの四つを予算の柱に位置づけ、
アクションプラン2019に掲げた計画事業の約9割に着手し、目標達成のためのスタートダッシュ予算となったことは大きく評価しています。
特に、子ども・子育て施策については、引き続き、待機児童ゼロに向けた取り組みとして、1,649人分の保育の受け皿を整備することや、子ども医療費助成の対象年齢の拡大などが盛り込まれ、この結果、子ども関連予算は2019年度補正予算に前倒し計上したものと合わせると1,971億円となりました。子ども関連予算費は、秋元市政1期目がスタートした2015年度の1,391億円から580億円増となり、5年間で140%を超える予算規模に拡大し、女性の活躍を応援し、子どもが健やかに育つまちの実現に向け、秋元市長がこれまでの取り組みをさらに前に進めようとしている姿勢が見てとれます。
我が会派は、2020年度の予算編成に当たり、秋元市長に対して、人口減少対策として、子育て支援の質・量の充実や一貫性のある施策を推進し、安心して産み育てることのできる環境整備により一層取り組むことや、若者の道外流出を抑制するための雇用促進策と雇用の定着に向け、安心して働くことのできる環境整備をさらに進めることを求めてきたところです。
そこで、質問ですが、2020年度予算案で特に力を入れた施策について、市長の考えを伺います。
2点目は、今後の財政運営に対する認識についてです。
2020年度予算案では、財政規律を堅持した結果、
アクションプラン2019で示した
中期財政フレームと比較し、2020年度末の基金活用額は当初想定を17億円下回る28億円、市債残高についても当初想定を15億円下回る1兆1,383億円に抑制され、財政の健全性は確保されているとのことです。
今後、人口減少や超高齢社会の進展が見込まれる中、老朽化する公共施設の更新需要の本格化や、北海道新幹線の札幌延伸といったさまざまな転換点に差しかかろうとしており、将来世代に過度な負担を残さないよう、財政規律を維持し、持続可能な財政運営の取り組みが一層求められていると考えます。
そこで、質問ですが、2020年度予算案とあわせて公表した
中期財政フレームを踏まえ、今後の財政運営に対する認識を伺います。
次に、第2期さっぽ
ろ未来創生プラン(案)について伺います。
国は、これまでの5年間、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を策定し、人口減少克服と地方創生を実現するため、地方に対してさまざまな創意工夫を求めてきましたが、若者を中心に就職などを理由とする首都圏への一極集中は、いまだ歯どめがかかっていません。また、国全体の出生数についても減少傾向が続いており、施策の効果が十分にあらわれているとは言えない状況にあります。
こうした状況の中、北海道においては、国を上回るペースで人口減少が進んでおり、2008年に人口のピークを迎えた全国より約10年早い1997年の570万人をピークに、人口減少局面に入っています。2018年の北海道の
合計特殊出生率は全国の1.42に対して1.27と低く、道外への転出超過も半世紀にわたって続いています。
札幌市は人口増加を続けており、ことし1月1日現在の人口は過去最多となる197万人超えとなっていますが、この人口増加は、道内から札幌への転入超過に支えられた社会増によるものであり、本市の
合計特殊出生率は2018年の1.14と、都道府県で最も低い東京都の1.21を下回っている状況です。
札幌から道外への転出超過は若者を中心に続いており、加えて、少子高齢化の進展により、自然減は今後さらに拡大することが見込まれています。札幌市においても、ここ数年のうちに自然減が社会増を上回ることによって人口減少に転じることが予想されており、今後、まちの活力が失われることも強く懸念されることから、人口減少対策の両輪として少子化対策と道外への転出抑制の二つの対策が必要です。
第2期さっぽ
ろ未来創生プラン(案)においては、札幌市の
合計特殊出生率が低い要因の一つとして、全国に比べて高い未婚率が挙げられています。2018年に札幌市が行ったアンケート調査では、男女ともに、結婚への最大の障害は生活を維持するための資金が課題であるとされており、札幌は全国より若者の所得が低い傾向にあり、収入への不安を軽減する取り組みが必要だと考えます。
また、道外転出を抑制するためには、広大な北海道において、その人口の3分の1が集中する道都札幌市による道内市町村との広域的な連携を強化した取り組みが重要かつ効果的だと考えます。
そこで、質問ですが、若年層の所得が低いことへの認識とその対応をどのように考えているのか、また、人口減少に対して、北海道や道内市町村とどのように連携して取り組んでいくのか、伺います。
次に、防災施策について、2点伺います。
1点目は、地域住民の防災意識の向上についてです。
近年、日本では自然災害が多発しています。一昨年の北海道胆振東部地震、西日本豪雨に続き、昨年は、相次ぐ台風による河川の氾濫や強風により、長野県や千葉県、東北地方などが大きな被害を受けました。特に、一昨年の西日本豪雨と昨年の台風19号による河川の氾濫に際しては、自宅への浸水により、残念ながら多くの方が犠牲となりました。亡くなられた方の中には、1階で発見された方が多く、2階に垂直避難をしていたら助かった可能性も高かったとの指摘があります。
人間は、災害や未経験の事態に遭遇した場合、みんなが避難していないから大丈夫、前回も大丈夫だったから今回も大丈夫などとの心理に陥り、それが逃げおくれにつながると言われています。こういった逃げおくれを回避するためには、日ごろから、防災意識を高め、実践的な防災訓練を実施することや、ハザードマップで自宅の浸水状況を把握するなど、災害が迫ったときの行動を確認しておくことが重要です。
札幌市では、全市レベルの総合防災訓練を初め、各区主催の防災訓練、地域における自主防災組織の訓練支援などに加えて、2017年度からは災害対策基本法に定められた地区防災計画のモデル事業を実施しています。
私の地元である中央区盤渓地区においても、2018年度から地区防災計画の策定に取り組んでおり、まちを歩きながら地域の防災上の課題を探り、参加した市民が情報を共有して解決策を話し合い、ことし1月に計画が完成したところです。この地区防災計画は、行政からの押しつけではなく、地域住民の皆さんが主体となって、テーマを考えて取り組むものです。私もワークショップに参加しましたが、地域住民の皆さんが防災について考え、それを議論していく過程を見ると、おのずと防災意識が高まるということを実感しました。
札幌市のモデル事業も今年度で10地区に広がり、昨年12月には、この10地区が集まる地区防災計画フォーラムが開催されました。この中では、それぞれの取り組みを発表する場が設けられ、お互いを刺激し合える大変有意義なフォーラムだったと感じました。
地区防災計画は地域が主体となって策定しますが、取り組むべきテーマは多岐にわたります。計画策定後、本市が適切な支援を行うことで、引き続き、別のテーマにも取り組んでいくことにより、さらに地域の力が引き出され、防災力や防災意識の一層の向上が図られると考えます。
そこで、質問ですが、地区防災計画の取り組みをより充実したものへと発展させ、地域の防災意識を向上させていくために、今後、札幌市として地域に対してどのようなかかわりを持っていくのか、伺います。
2点目は、災害情報伝達の取り組みについてです。
昨今、事前の情報によって地震や気象災害に備えることが可能となり、防災対策として、高度で細分化された情報を分析、把握することが今まで以上に重要になってきています。町内会主催の防災に関する勉強会に参加した際に、災害時の情報伝達手法の一つに緊急速報メールを取り上げていました。災害時に緊急情報を通知し、最寄りの避難所を探し出せる、スマートフォンやタブレット端末向けの防災アプリである札幌市防災アプリそなえについては、市民の認識は進んでいると考えます。一方、オフライン時でも防災情報ハザードマップを見ることや、これまで受け取った緊急情報配信の履歴情報を確認できることなどを知っている市民は少なく、その利用方法の理解促進が必要と考えます。
これまで、我が会派は、札幌市防災アプリそなえの充実を求めてきましたが、アプリケーションの特性に関するさらなる啓発や理解促進の取り組みが必要だと認識しています。同時に、災害時における札幌市からの情報発信については、緊急速報メール、札幌市防災アプリそなえ、各種SNS、テレビ、ラジオなどの多様な媒体があり、危機管理部局の限られた人員の中で効率的な対応と即応性が求められている状況にあると考えます。そのような中で、今回提出された予算には、迅速に災害情報を集約、発信できる新たな防災システムの構築に向けた予算が計上されております。
そこで、質問ですが、今回、防災システムを整備することによって市民への情報発信体制がどのように強化されるのか、伺います。
次に、感染症対策について伺います。
中国湖北省武漢市で昨年12月に新型コロナウイルスに関連した肺炎の発生が報告されて以降、世界各国から続報が続き、WHO、世界保健機関の緊急委員会は、1月31日に、武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎の発生状況が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に該当すると発表しました。その後も感染者がふえ続け、世界では2月24日現在で8万人近くに上っており、日本でも、1月15日に感染者が発生してから、全国各地に感染が拡大しています。2月21日には、道内6例目、7例目となる小学生の感染が発表され、学校説明会が行われたと聞きました。
過去には、札幌市でも、2009年、新型インフルエンザが発生した際、小学生など子どもへの感染が広がり、市内の全ての学校が学級閉鎖、学校閉鎖に追い込まれる事態となりました。保育園、学校などの子どもたちが集団生活を過ごす場所での集団感染とならないためには、感染者が発生したときの対応が重要です。
ことしの1月30日、2月18日、2月22日には、札幌市感染症対策本部設置要綱に基づき、本部長である市長のもと、札幌市感染症対策本部会議が開催され、感染予防策の周知徹底を図るなどの指示により、全庁一丸での取り組みと認識していますが、情報が少ない中、保育園、幼稚園、小・中学校などでは保護者からの不安の声が多く寄せられており、現場でスムーズに対応できるよう情報の周知が徹底されていたのか、疑問が残ります。
札幌市では、毎年のようにインフルエンザなどの感染症が猛威を振るい、10年間隔で新型の感染症が発生するなど、感染症の不安にさらされる状況が避けられないことからも、日常的に集団で生活する施設に対しては、平時から感染症への対応を理解していただく必要があると考えます。そのためには、保健福祉局はもちろん、教育委員会や子ども未来局において、感染症の発生による園児、子どもたちの学校生活等への影響や、必要な対策を職員で共有していくほか、感染症対策とは一見無縁に見える他の局・区においても、主体的に取り組みを進めなければならないと考えます。
そこで、質問ですが、今回の新型コロナウイルスの発生を受け、改めて、感染症対策における全庁を挙げた取り組みの徹底が必要と考えますが、対策の指揮をとる市長の認識をお伺いします。
次に、子ども施策について、3点伺います。
1点目は、子どもの貧困対策についてです。
子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、2013年、子どもの貧困対策の推進に関する法律が制定され、翌年、子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。
札幌市では、2018年、札幌市子どもの貧困対策計画を策定し、困難を抱える子ども、世帯を早期に把握し、必要な支援につなげる取り組みの推進を、子どもの貧困対策を進める上で基礎となる、特に推進するべき施策と位置づけた上で、各種支援策のさらなる充実に向けて取り組んできました。
特に、社会的に孤立傾向にある子どもや家庭を早期に把握して必要な支援につなげるため、相談支援に豊富な経験を持つ子どもコーディネーターを配置する子どものくらし支援コーディネート事業は、重要な役割を担ってきました。
我が会派では、国、地方公共団体、民間の企業や団体、地域住民などがそれぞれの立場から主体的に支援に参加していく必要があることから、子どもコーディネーターの充実とともに関係機関との連携強化を求めてきたところです。
このような中、2019年6月の法改正で、子どもの将来だけではなく、現在の生活等に向けても子どもの貧困対策を総合的に推進することが明記されるとともに、市町村に対し、子どもの貧困対策計画を策定するよう努力義務が規定され、11月に新たな子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。
大綱では、子育てや貧困を家庭のみの責任とするのではなく、地域や社会全体で課題を解決するという意識を強く持ち、子どものことを第一に考えた適切な支援を包括的かつ早期に講じていくという基本的な考えのもと、親の妊娠・出産期から子どもの社会的自立までの切れ目のない支援、支援が届いていない、または届きにくい子ども、家庭に配慮、地方公共団体による取り組みの充実などの方針が打ち出されました。また、市町村においては、福祉や教育などの取り組みの過程で得られた個別の子どもの状況に関する情報を活用することにより、支援を必要とする子どもを広く把握し、効果的な支援につなげていくことなどがうたわれています。
そこで、質問ですが、法律の改正や新たな大綱が決定された中で、子どもの貧困をめぐる現状の認識と、札幌市が子どもの貧困対策を今後どのように進めていくのか、伺います。
2点目は、ひとり親家庭の子どもの養育費確保についてです。
昨年11月に改定された子供の貧困対策に関する大綱には、経済的支援の一つとして、養育費の確保の推進が盛り込まれています。子どもの貧困対策として養育費の確保が掲げられている理由には、残念ながら、養育費を支払わない父親が多いためです。2016年度に厚生労働省が実施した全国ひとり親世帯等調査によると、現在も養育費を受けていると回答した母子世帯の割合は2割程度にすぎません。母親の収入が少ない中、別れた父親から養育費が支払われず、おのずと子どもの貧困が発生してしまうとの指摘もあり、日本は、先進国の中で、子どものいるひとり親世帯の貧困率が最低水準だとする国際調査もあります。
札幌市が2017年に実施したひとり親家庭の生活と意識に関するアンケート調査を見ると、母子世帯の就労状況は83.8%と、全国平均より2ポイント高くなっていますが、平均年間就労収入は200万円未満が62.8%となっています。現在困っていることの問いでは、家計と回答する母子家庭が79.5%と圧倒的に多く、生活は依然として厳しい状況が見えます。また、母子家庭において、養育費の取り決めを行っている割合は52.6%にとどまっています。養育費の取り決めをしていない理由について、相手に支払う意思や能力がないと思ったとの回答が最も多く、相手とかかわりたくなかった、相手が応じようとしなかったとの回答がこれに続いています。さらに、現在も養育費を受け取っていると回答した母子世帯の割合は34.0%と低くなっています。
こうした中、兵庫県明石市では、養育費不払いによる泣き寝入りの救済を目指し、養育費確保のための支援策を打ち出しました。不払い時に市が委託した保証会社が立てかえ、支払義務のある親から回収するというものです。応じない場合は、悪質ならば行政罰である過料を科すなどの制度を今後検討するとしています。現在、大阪市や滋賀県湖南市も、支払いを取り決める公正証書の作成や、民間保証会社の利用に補助金を交付する制度を導入しています。このほか、東京の豊島区、港区なども独自の支援策の検討を進めています。
民事執行法が改正され、養育費などの支払いが滞ったとき、公正証書などに基づいて裁判所を介して支払義務者の給与や資産に関する情報を入手しやすくなる側面はあるものの、支払いを得るために要する時間や金銭の負担は小さくありません。国は、2020年度予算案に、ひとり親家庭等の自立支援の推進として、養育費確保支援を親の資格取得支援などとともに加えました。札幌市は、2018年3月に策定したひとり親家庭等自立促進計画において、養育費の確保及び適切な面会、交流の推進を基本目標の一つに掲げています。
そこで、質問ですが、ひとり親家庭の子どもの養育費確保に関する課題認識を伺います。
また、昨今の動きも踏まえて、今後どのようにひとり親家庭の支援を進めていくのか、伺います。
3点目は、第2子保育料無償化についてです。
現在策定中の第4次さっぽろ子ども未来プランは、近年の社会環境の変化に伴い、多様化が進む子育て支援ニーズに応えるものと期待しています。
特に、少子化問題が深刻化する中、子育て世代への支援は重要であり、未来プランの基本目標にも、安心して子どもを産み育てられる環境の充実が掲げられています。安心して出産、子育てができるよう、保育所等の施設整備や質の確保を進め、待機児童解消に努めるとともに、子どもを産みたいと願う世帯に経済的負担の軽減といった支援もしっかりと進めていくことが重要です。また、2人以上の子どもを持つ世帯の経済的な負担感は増しており、さらなる支援が必要と考えます。
2020年度予算案に第2子保育料無償化の拡大が盛り込まれ、2017年度より実施している3歳未満の児童を対象とした第2子保育料無償化の対象範囲を拡大するとしています。具体的には、これまで保育所等を同時に利用していない場合でも、年収約360万円未満のみに適用していた第2子保育料無償化を、年収約640万円未満まで拡大して適用するものと聞いており、支援を必要としている世帯への経済的支援策として評価します。
そこで、質問ですが、第2子保育料無償化の取り組みについて、改めて考えを伺います。
次に、森林環境譲与税について伺います。
昨年4月に施行された森林経営管理法とあわせて、適切に森林管理を行うための森林環境譲与税が創設され、2019年度から都道府県と市町村に譲与税の配分が開始されました。
これを受け、我が会派は、昨年の第3回定例会代表質問や決算特別委員会において、森林整備に係る譲与税の活用と今後の木材利用について積極的に取り組むことを求めてきました。
そうした中、2019年の台風15号において倒木による被害が拡大したことを初め、近年、甚大な自然災害が発生していることを踏まえ、防災対策の観点からも森林整備が喫緊の課題であるとして、昨年12月、譲与額を前倒しで増額する措置が税制改正大綱で決定しました。これは、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を活用して、全額譲与となる時期を当初予定の2033年度から2024年度と変更し、さらに、2020年度から倍額剰余とするものです。これにより、札幌市の2020年度の配分予定額は約2億円となり、2024年度からは全額の約3億2,000万円が毎年配分されることが試算されています。今回の措置に伴う使途の変更などは特に示されないことから、整備すべき個人所有の人工林が少ない札幌市においては、増額分を木材利用や普及啓発に向けることが想定されます。
北海道は、土地面積の7割が森林に覆われ、全国の森林面積の2割を占めるなど、我が国を代表する豊かな森林を擁する地域です。戦後、道内に植栽されたカラマツやトドマツなどの人工林が成熟し、今、まさに利用期を迎えています。これらを計画的に利用し、適切な植林、育林を通じて次の世代の森林をつくっていくという森の循環を構築していくことが、土砂災害防止など森林の持つ公益的な働きを発揮させるとともに、地域の経済に寄与していくことにつながっていきます。
地域材の利用は、外国産などの木材の利用に比べて、地域経済への波及効果や雇用創出につながります。また、環境の面で言えば、木材は炭素の塊であり、住宅や家具などに木材を長く使うことは、森林と同じような温室効果ガスの吸収源となり、地球温暖化防止にも寄与すると言われています。
加えて、地域材の利用は、既に世界の潮流となっているSDGsを進める上では、その行動の指標のうち、実に十数項目にも位置づけられるなど、社会の持続性の確保においても大変重要な課題です。
さらに、林野庁によれば、木造の建物は人体への効果的な影響があり、木造施設では足腰への負担やけがが少ないこと、また、学校内でのインフルエンザなどのウイルス感染症の罹患率が低いことや、紫外線を吸収し、目に優しい効果があることも公表されています。
このような効果を踏まえ、木育や建物の木造化を進める民間保育所が札幌市にもふえてきています。北海道における木材の一大消費地であり、多くの非木造建築物が建てられている札幌市において、森林環境譲与税を活用し、まずは、公共建築物の地域材による木造・木質化を積極的に進めることが重要と考えます。
直近で言えば、中央区に計画しているちあふる・ちゅうおうが整備されると聞いていますが、こうした施設から地域材を使うことを積極的に取り入れるべきであり、それには、全庁一体となって森林環境譲与税を活用し、地域材の利用を促進していくべきと考えます。
そこで、質問ですが、森林環境譲与税が増額となったことを受けて、今後どのように地域材を活用していくのか、伺います。
また、具体的にどのような施設で地域材を活用していくのか、あわせて伺います。
次に、市職員の人材確保についてです。
これまでも我が会派は人材確保について取り上げてきましたが、社会情勢や国の動きを踏まえると、依然として厳しい状況が続いています。生産年齢人口の減少と相まって、本市においても人材の確保が課題となっている一方、市民が行政に求めるニーズは多様化・複雑化しています。将来にわたり質の高いサービスを提供し続けるためには、市民に寄り添い、課題解決能力にすぐれた職員が必要となりますが、採用試験の受験者数は年々減少しており、今後、ますます職員の確保は難しくなることが見込まれます。
また、優秀な職員を確保することができたとしても、新規採用職員として現場に配属となるのは4月に限られています。年間を通じて傷病や育児休業を理由とした欠員が発生している一方で、新規採用職員を年度途中に配置することができないという現在の運用が現場の疲弊感につながってはいないかと危惧しています。
そのような中、政府は、就職氷河期世代支援プログラムによる集中的な支援を打ち出し、3年間でこの世代の正規雇用者を30万人ふやすことなどを目標に掲げました。関係府省会議においては、就職氷河期世代支援に関する行動計画2019が策定され、国家公務員及び地方公務員の中途採用を促進する方針が示されました。
就職氷河期世代は、現在、30代半ばから40代半ばに至っていますが、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代です。優秀な人材にもかかわらず、希望する就職ができず、不本意ながら不安定な雇用形態となっている、あるいは無職の状態にあるなど、多くの方がさまざまな課題に直面しているとされています。
中途採用の促進に当たっては、新たに就職氷河期世代を対象とした採用を実施すること以外にも、従前から各地方公共団体で実施している採用試験において、受験年齢の上限年齢の引き上げや経歴要件を緩和するといった方法もあり得るとの見解を示しています。
本市においては、多くの職種において、社会人経験の部を導入し、満59歳まで受験することを可能としておりますが、この試験を導入していない職種においては、優秀な職員を確保することに苦慮している様子がうかがえます。今後、さらに社会人経験の部の対象を広げ、受験者の確保に努めることが重要と考えます。幅広い年代を対象とした雇用の確保に積極的に取り組むことは、職場の多様性につながり、地域社会や子育て世代の安定にもつながります。さらに、民間企業への波及効果を生む可能性もあり、年度途中からフレキシブルに採用することも可能となります。
そこで、質問ですが、受験者数が減少傾向にあり、優秀な人材を確保することが難しくなっている現状についての見解を伺います。
また、受験要件を緩和することや採用時期に柔軟性を持たせることで、受験者数をふやし、有為な人材確保が必要と考えますが、あわせて見解を伺います。
次に、多死社会の到来を見据えた施策の考え方について伺います。
札幌市の高齢化率は27%を超え、今後、さらなる上昇が見込まれており、本市は、超高齢社会という大きな課題に直面しています。超高齢社会を見据え、健康長寿のまちを目指す取り組みを推進する一方で、もう一つ重要な視点として、人間である限り避けて通ることのできない人生の最期というものを考えていくことも非常に重要であると考えます。
最近、マスコミやインターネットを通じて、また、身近な人たちからも、人生の終わりに向けた準備を生前のうちから自分自身で行う終活に関する話題を見聞きすることがふえました。このことは、人生の幕を閉じた後のこと、すなわち、自分の葬儀やお墓に関して不安を抱える市民がふえていることのあらわれではないかと思います。
現在、札幌市では1年間に2万人近くの方が亡くなっておりますが、今後、団塊の世代を初めとする人口の多い世代の高齢化により、それほど遠くない将来に天寿を全うされて亡くなる方がさらに多くなる、いわゆる多死社会が到来することになります。これからは、終末期をどのように過ごすのか、最後のみとりをどうするかなどの生前に関する問題とあわせて、別の視点からの問題、すなわち、亡くなった後に利用する火葬場や墓地に関する問題にも目を向ける必要があります。
火葬場に関しては、火葬件数が多くなり、施設の混雑がひどくなってきたため、希望する日に火葬することができずに何日も待たされてしまうということが既に東京などで問題となっていますが、札幌市においても、同様のことが起こるのではないかと危惧しているところです。
また、墓地については、長い間管理されずに放置され、草木が繁茂するなどにより、お墓が荒れてしまう、いわゆる無縁墓が札幌市でも散見されており、周囲のお墓にも悪影響を及ぼしていると聞いています。これらは、お墓を管理していた方の転居や死亡などで引き継ぐ方がいないことによるものと考えられます。お墓は、亡くなった方を弔い、忍ぶ場所でもありますが、そのお墓が放置されて荒れてしまうというのは大変残念なことです。また、今後、さらに少子高齢化が進み、荒れたお墓がふえることになると、ほかの方々にもご迷惑をおかけすることになり、墓地全体の管理上も大きな問題となります。
現実にはこのような問題が想定されるにもかかわらず、将来起こり得る火葬場や墓地の問題については、これまで行政は積極的に取り組んできたとは言えず、また、市民の側にしても、死に関することを考えるのは縁起でもないと否定的に捉えている人もまだまだ多いのが実態であろうと思います。このままでは、多死社会の到来による火葬場や墓地に関するさまざまな問題に対応できる状況にあるとは言えません。
札幌が今後も市民にとって安心して暮らすことのできるまちであり続けるためには、高齢者福祉の取り組みに力を入れることはもちろんでありますが、死は誰にでもひとしく訪れるということを踏まえ、多死社会の到来に伴う火葬場や墓地の問題解決に向けた取り組みを進めていくことが重要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、今後、多死社会の到来が避けられない中にあって、札幌市としてどのような施策を進めていくのか、伺います。
次に、成年年齢引き下げに伴う成人式のあり方についてです。
札幌市では、毎年1万人を超える新成人が各区で開催される成人式に参加されています。ことしからは、成人式の開催日が、これまでの成人の日から、その前日の日曜日に変更されており、新成人の皆様も、成人式の翌日が休日になるということで、これまでよりも余裕を持って式典に参加できたことと思います。
成人式は、その実施方法を定めた法律等があるわけではなく、各自治体で創意工夫を凝らして開催されているところです。2018年6月に民法が改正され、2年後の2022年4月1日以降、法律上の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることとなっています。こうした状況を踏まえ、現在、全国の自治体で成年年齢引き下げ後における成人式の参加対象年齢について、法改正に合わせて18歳に引き下げるか、それとも従来どおり20歳とするかなど、そのあり方について検討されると聞いております。
昨年の第1回定例会代表質問において、我が会派は、成年年齢引き下げに伴う成人式のあり方について、スケジュールを含めて、今後どのように検討を進めていくのか、質問しました。これに対し、札幌市は、参加対象者を初め、成人式関係者の意向をしっかり把握するとともに、国の会議の検討状況や他都市の動向も参考にしながら、2019年度中をめどに方針を定められるよう取り組むと答弁しています。
その後の国や他都市の動向としては、昨年6月に、国が成年年齢引き下げ後の成人式の実施について約1,700の市町村を対象にアンケート調査を実施し、約1,000の市町村から回答があったということです。この調査によると、2022年4月以降の成人式の対象年齢について、既に方針を決定していると回答した市町村は6%程度でしたが、その6%の市町村のうち、9割近くが20歳を対象とする方針としています。また、京都市を初めとする15カ所の政令市でも、既に対象年齢の方針を決定しており、それらは全て20歳を対象とする旨、公表しています。
各市町村における考え方はさまざまですが、成人式は、生まれ育った地域からお祝いや励ましを受け、社会人としての自覚を高めてもらう貴重な機会であり、当事者である新成人やその家族はもとより、成人式の運営を担う地域の方々、和装レンタルや理美容など関係事業者の方々など、幅広い関係者の意見を踏まえて検討されるべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市では、成人式関係者の意向等についてどのように把握されているのか、また、成年年齢引き下げに伴う成人式のあり方についてどのような方針とする考えであるのか、伺います。
次に、中小企業の人材不足への対応に向けた取り組みについて、2点伺います。
1点目は、生産性向上に向けた支援についてです。
中小企業白書における1年間当たりの廃業率を算出する手法により札幌市の廃業率を見ると、2009年から2012年にかけては7.5%、2012年から2014年にかけては7.9%と上昇しています。さらに、直近の2014年から2016年にかけては9.4%まで上昇し、人口100万人以上の政令指定都市11都市の中で、大阪市、福岡市の9.7%に次いで高い数字となっています。
このように、廃業率は年々高まっていますが、廃業に至る要因の一つとして人材不足が挙げられます。人材不足による廃業には、後継者不足と従業員不足の二つの側面がありますが、本市では、後継者不足について、事業継承のマッチング支援という形で2019年度から具体的な取り組みを速やかに開始しています。
一方、従業員不足に関しては、国が推し進めている働き方改革により、建設事業などの一部を除いて、この4月から中小企業に対しても時間外労働の上限規制が適用される予定であることから、とりわけ人材をやりくりする余裕のない中小企業においては、対応に窮し、業務の縮小や廃業を選択するケースが一層ふえるのではないかと懸念するところです。
廃業の増加は、雇用はもとより、顧客とのつながり、技術や知識、経験などが失われ、札幌市の経済全体にとっても大きな負の影響を与えるものと考えます。生産年齢人口が減少する中、中小企業が人材不足に対応していくためには、新たな人材確保に向けて取り組んでいくことはもとより、既に在籍している人材を維持し、従業員一人一人がワーク・ライフ・バランスを保ちつつ生き生きと働けるよう、生産性の向上を図ることが重要となります。
本市では、札幌市産業人材創出推進本部を立ち上げ、各業界へのヒアリングやアンケートなどの取り組みに着手していますが、中小企業の廃業率上昇を抑え、人材不足に対応するためには、生産性向上に向けた支援をより一層推進していくことが必要です。
そこで、質問ですが、中小企業の生産性向上に向けた支援を今後どのように進めていくのか、伺います。
2点目は、雇用のミスマッチについてです。
2019年12月の有効求人倍率は、全国で1.53倍、札幌圏においても1.19倍と、売り手市場が続いています。特に有効求人倍率が高い職種として、保安では5.93倍、建設、採掘では3.61倍となっており、慢性的に人材不足に陥っていることがうかがえます。その一方で、事務や軽作業といった職種では、有効求人倍率は0.5倍未満と低くなっており、企業が求めている人材と求職者が求めている職種には大きな偏りがあることがわかります。
また、北海道の新規学卒者の入社3年以内の離職率は、高卒で45.5%、大卒で35.9%と、全国平均よりも高卒で6ポイント、大卒で4ポイント程度高い状況にあります。転職経験者を対象とした民間調査によると、離職理由について、労働時間が不満、給料や福利厚生に不満などが上位に挙げられています。こうした調査からもわかるように、業種、職種のみならず、勤務時間や給料といった労働条件に関しても、企業と求職者のニーズが一致していない雇用のミスマッチが発生していると言えるのではないでしょうか。
札幌市産業人材創出推進本部では、市内企業全体の人材確保策を検討しているところですが、求職者数に対して企業の求人数が大幅に上回っている現状においては、一部の業種、職種の有効求人倍率が高どまりするという可能性は否定できません。人材確保に苦慮する企業に対して、採用から育成、そして定着へと好循環につながるよう、働きやすい環境づくりの後押しをするなど、行政がより一層の支援をしていくべきではないかと考えます。
そこで、質問ですが、企業と求職者のマッチングについて、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、給特法の改正についてです。
昨年12月に、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法の一部改正が行われ、2点大きな変更がありました。1点目は、1年単位の変形労働時間制の適用が可能となったことです。これは、業務繁忙時期の所定の勤務時間を延長するかわりに、夏休みなどの長期休業期間中に休日のまとめどりを行うものです。2点目は、勤務時間の上限に関するガイドラインを業務量の適切な管理等に関する指針に格上げし、文部科学大臣が策定及び公表をするものです。
札幌市では、この指針を受け、今議会にその上限等を定めるための根拠となる条例案を上程し、先日の市長提案の際にもその改正趣旨の説明がありました。今後は、文部科学省から示された指針の内容を踏まえ、規則等で具体的上限時間を定める方針と聞いています。
現在、社会問題にもなっている教員の長時間労働を縮減する方向性については、学校をよりよいものにしていくためにも必要な取り組みであると考えますが、単に1年単位の変形労働時間制を導入し、上限時間を定めるだけでは、現場の長時間労働の解決にはつながらないと考えます。
2019年11月17日の衆議院本会議趣旨説明においても、1年単位の変形労働時間制を導入すること自体が日々の教師の業務や勤務時間を縮減するものではないとし、1年単位の変形労働時間制の導入によって学期中の勤務が現在よりもさらに長時間化しては本末転倒であるとしています。こうした政府の見解からも、長時間労働の解決には業務の削減が大前提であることが理解できます。
また、指針では、在校等時間の上限を月45時間以内、年360時間以内としていますが、2018年9月から市教委で試行的に実施している教員の在校時間把握の結果を見ると、時期によってばらつきはあるものの、月45時間を超える教員の割合は、小学校5割、中学校6割ほどで毎月推移しています。過労死ラインと言われる月80時間を超える教員も1割以上いる状況では、指針に示された上限時間の達成にはほど遠い状況と言わざるを得ません。
さらに、指針では、休憩時間や休日の確保等に関する労働基準法等の規定を遵守するとしていますが、2015年の市教委の調査によると、休憩時間を利用できなかったと回答した職員が全体の9割弱を占めています。お昼は給食指導があるため、教員の休憩時間は夕方となっている実態が多くありますが、その時間帯は、児童生徒の下校直後であり、保護者対応や打ち合わせなどがあることから休憩をとることが大変難しい状況にあります。上限時間を定める上では、こういった休憩時間や校外での業務の実態をしっかりと把握し、取り組みを進めていくことが必要です。例えば、研修や外勤、部活動の大会など、校外で行う業務も多いことから、単純に在校している時間の把握だけでは不十分です。
そこで、質問ですが、札幌市として、政府の見解を受けて変形労働時間制をどのように考えているのか、また、今後、教員の勤務時間の上限時間を定めた場合、その実現に向けて札幌市としてどのように取り組んでいくのか、伺います。
最後に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会についてです。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会については、日々さまざまな話題が報道され、いよいよ大会が近づいてきたという雰囲気を感じています。
札幌市においては、サッカー競技に加え、マラソン、競歩が開催されることとなりました。特に、マラソンは、大会の花と呼ばれ、市民の関心の高い競技となっています。地域の皆さんと話をしていると、これまでスポーツ観戦に余り関心のなかった方が、マラソンはぜひ沿道で応援したいと熱心に話されているなど、オリンピックに対する市民の意識の変化が感じられます。札幌で開催される国際的なスポーツ大会の魅力が市民に大きな影響を与えることを改めて認識しているところです。
昨年9月に開催されたラグビーワールドカップでは、多くの外国人観戦客が札幌を訪れました。地下歩行空間やコンベンションセンター、さらには札幌ドームでのパブリックビューイングにも大変多くの市民が集まり、市民が一体となって感動を共有する場が数多く設けられました。ラグビーワールドカップは、多くの市民の印象に残り、札幌開催を誇りに感じられる大会になったとともに、スポーツが見る人に感動を与え、人と人とをつなげるきっかけをつくるというスポーツの持つ力の可能性を改めて示したと考えます。にわかラグビーファンという言葉が流行語になったことは、幅広い層へのスポーツ参加の取り組みが受け入れられた結果であり、多方面からの周知に力を注いだ本市の取り組みを評価いたします。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においても、札幌で競技が開催される際はもちろんのこと、大会期間を通じて多くの市民がさまざまな形で大会や競技の魅力を感じていただく機会を創出することが重要です。こうした取り組みを着実に進めることで、札幌市の今後のスポーツ振興や、2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けた機運醸成に大いに寄与すると考えます。
そこで、質問ですが、一人でも多くの市民にオリンピック・パラリンピックの魅力を感じていただくため、どのような取り組みをしていくのか、伺います。
これで、私の全ての質問を終了します。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
◎副議長(桑原透) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で12項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの財政運営について、2項目めの第2期さっぽ
ろ未来創生プラン(案)について、3項目めの防災施策について、4項目めの感染症対策について、5項目めの子ども施策についての5項目についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、1項目めの財政運営についてお答えをいたします。
まず、2020年度予算案で特に力を入れた施策についてというご質問でございます。
令和2年度予算は、
アクションプラン2019の目標達成に向けたスタートダッシュ予算として、都市の強靱化、子育て支援の充実、産業人材の育成や観光施策、都市の魅力づくりなどを積極的に計上したところであります。
具体的には、少子化対策として、子ども医療助成や第2子保育料無償化の対象拡大による子育て世帯の負担軽減のほか、市内2カ所目の児童相談所の整備に向けた取り組みなど、子どもの見守り体制を強化するものであります。加えて、地元に就職する若者をふやすために、新たにさっぽろ連携中枢都市圏内の中小企業を対象としたインターンシップを開催するほか、地元定着を促すための奨学金返済支援に向けた取り組みに着手いたします。
さらに、開催が迫る東京2020オリンピック・パラリンピックの成功と、その先にある2030冬季オリンピック・パラリンピック招致につなげていくための取り組みを進めていく考えであります。
次に、今後の財政運営に対する認識についてでありますが、少子高齢化など人口構造の変化に伴い、
社会保障関係費の増加、老朽化した公共施設が更新時期を迎えるなど、今後の財政需要は増加することが見込まれるところであります。
このような状況にありましても、将来にわたって持続可能なまちづくりを進めていくためには、選択と集中を図り、まちと人の未来への投資には積極的に資源を配分していくことが重要と考えております。
また、建設事業費の抑制や平準化を図る公共施設マネジメントの取り組みや、歳入歳出全般にわたる不断の見直しを行い、
中期財政フレームに基づく予算編成によって財政規律を堅持することでバランスのとれた財政運営に努めてまいります。
次に、2項目めの第2期さっぽ
ろ未来創生プラン(案)についてお答えをいたします。
まず、札幌に住む若年層の所得についてでありますが、全国と比較して低位にあることに加え、札幌におけるバブル景気直後と比べても低い現況にあり、結婚や子どもを産み育てたい希望を持つ世代の不安感となり、さらに、高い所得を求めて首都圏への転出にもつながっている可能性があると認識をしております。
そのため、第2期プランでは、質の高い雇用を生み出す産業の育成に加え、奨学金の返済支援や子ども医療費助成の拡充等、若者の所得への不安や子育て世代の家計負担を軽減する取り組みを強化していく考えであります。
次に、道内自治体との連携についてでありますが、人口減少、少子高齢化が進む中にあっても、北海道が持続的に発展し続けるためには、札幌の都市機能やまちの魅力をさらに高め、経済の活性化を図り、その効果を波及させるなど、道都札幌が北海道全体を先導していくことが重要であると考えているところであります。
こうしたことも踏まえ、第2期プランでは、札幌圏域における若者の地元定着や首都圏からの人材還流、さらに、札幌市民と道内市町村をつなぐ関係人口の創出などに取り組み、北海道や道内市町村と連携を深めながら、若い世代を引きつけ、道内にとどめる役割をしっかりと果たしてまいります。
3項目めの防災施策についてお答えをいたします。
まず、地域住民の防災意識の向上についてでありますが、地域の防災力を高めていくためには、地域が自主的かつ継続的に地区防災計画に取り組むことで効果が上がるものと考えており、積極的な支援が必要と認識をしております。
具体的には、先行地区として活動を報告し、お互いの取り組みを共有するため、フォーラムや講演会などを開催するとともに、計画に基づき、地域が実施する防災訓練の支援などを行っていく考えであります。また、モデル地区の活動を紹介する事例集を作成することなどによって、多くの地域に周知を図り、地区防災計画の取り組みを一層広げてまいりたいと考えております。
次に、災害情報伝達の取り組みについてでありますが、災害時における市民への避難情報等につきましては、機を逸せずに発令判断を行い、多様な媒体により円滑に発信することが重要と考えております。
新たなシステムでは、気象や河川水位などの災害関連情報を機械化により確実に監視する機能や、複数の媒体へ一括して情報発信できる機能を導入することで、市民への情報発信の迅速化を図り、適切な避難行動につなげてまいりたいと考えております。
次に、4項目めの感染症対策についてであります。
これまで、3回にわたり、私を本部長とする感染症対策本部会議を開催し、全庁で情報を共有しながら状況の変化に応じて必要な対策を指示してきたところであります。3回目の本部会議では、札幌市主催のイベント等を、当面、3週間程度、原則、中止または延期することを指示するとともに、高齢者施設等において不特定多数の方が出入りすることを極力抑えることや、不要不急の外出、面会等を控えることを求めたところであります。
引き続き、事態を掌握しながら、陣頭に立って適宜・適切に指示を行い、全庁一丸となって、市民の皆様が過度に不安になることなく冷静に対処していただけるよう努めてまいります。
次に、5項目めの子ども施策についてお答えをいたします。
まず、1点目の子どもの貧困対策についてであります。
国の新たな大綱の基本方針として、親の妊娠・出産期からの切れ目のない支援体制の構築や、支援が届いていない子どもや家庭への配慮などが示されており、札幌市の計画においても、これらを重要な施策と位置づけ、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。
その中で、貧困の状況にある子どもや家庭においては、健康や学習環境、体験の機会など、さまざまな点で困難や制約が生じていることや、社会的孤立の傾向にあることで、保護者が厳しい子育て環境に置かれているものと認識をしております。
特に、子どもコーディネーターが地域を巡回する中では、経済的困窮にとどまらず、養育環境面など、複合的な課題を抱え、個別の機関や制度だけでは解決が困難なケースも存在をしております。これらの課題を踏まえ、今後、子育てや福祉、教育など、関係部局の組織横断的な連携はもとより、地域におけるさまざまな支援機関や団体とのつながりをより一層深め、困難を抱える子どもや家庭に必要な支援が行き届くよう対策を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目のひとり親家庭の子どもの養育費確保についてであります。
養育費の受け取りは、ひとり親家庭の子どもの重要な権利であるにもかかわらず、母子家庭の半数近くが取り決めをしていないこと、また、誰にも相談していない方が多い状況について課題であると認識をしております。
札幌市におきましては、ひとり親家庭等自立促進計画に基づき、相談体制の充実と窓口の周知に努めているほか、履行確保のための法的手続に関するセミナーなどにも取り組んでいるところであります。今後は、養育費の確保に向けた新たな国の動きや他都市の状況なども踏まえ、より効果的な支援のあり方について検討してまいります。
次に、3点目の第2子保育料無償化についてであります。
札幌市の調査では、持ちたい子どもの数を持てない理由として、収入が不安定なこと、経済的な負担がふえることなどが挙げられており、安心して子どもを産み育てられる環境の充実に向けて、子育て世代に対する負担の軽減が求められているものと認識をしております。
また、昨年10月より実施をされた幼児教育・保育の無償化により、多くの世帯で経済的負担が軽減されたものの、3歳未満では非課税世帯のみが対象となっており、課税世帯は引き続き保育料の負担が生じているところであります。このような状況を踏まえ、とりわけ経済的負担の大きい多子世帯への支援の充実を図ることとし、第2子保育料無償化の対象を拡大することとしたものであります。
私からは、以上であります。
◎副議長(桑原透) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな7項目めの市職員の人材確保について、8項目めの多死社会の到来を見据えた施策の考え方について、2項目についてお答え申し上げます。
まず、7項目めの市職員の人材確保についてのご質問でございますが、民間企業の採用が活発化していることや少子化等の影響によりまして全国的に公務員採用試験の受験者数が低下している中にありまして、札幌市においても受験者数は低下傾向にあり、厳しい状況であると認識するところでございます。
これまで、大学等へのリクルート活動のほか、インターンシップ等さまざまな取り組みに力を入れてきたところではございますが、これらに加えて、今後、受験要件の緩和や採用時期のあり方等についても検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、8項目めの多死社会の到来を見据えた施策の考え方についてのご質問でございますが、多死社会の到来によって、火葬場や墓地に関する問題は、十分な対策を行わなければ、より深刻になっていくことは避けられません。将来を見据えた取り組みを進める必要があると認識するところでございます。
火葬場や墓地に関することは、日ごろ、話題にすることがはばかられるような面がございますが、誰にでも関係する問題であり、将来、自分や身近な人がかかわるときのことをあらかじめ考えておくという意識を醸成していくことが重要でございます。
このため、今年度中に、火葬場や墓地の安定運営と市民の意識醸成を施策の柱とする、仮称でございますが、札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想を策定予定でございまして、パブリックコメントをこの1月31日までに実施したところであり、現在、その取りまとめを行っているところでございます。
今後、この構想に基づきまして取り組みを進めることによりまして、多死社会においても市民が安心して暮らし続けられる札幌を目指してまいります。
私からは、以上でございます。
◎副議長(桑原透) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、6項目めの森林環境譲与税についてお答えをいたします。
北海道における木材の一大消費地である札幌市といたしましても、地域材の活用を通して、地球温暖化や災害の防止などにつながる森林整備の推進や林業の振興に寄与していくことは、重要であると考えるところでございます。このため、今後の譲与税の増額も踏まえ、さらなる公共建築物への地域材利用の拡大に向け、庁内においても検討を進めているところでございます。
具体的には、学校や中央区の保育・子育て支援センターちあふる・ちゅうおうなど、子どもたちが利用する施設のほか、新MICE施設や中央区役所の新庁舎など、多くの市民が利用する施設への活用を図ることで、地域材のよさや魅力を伝えてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
◎副議長(桑原透) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、9項目めの成年年齢引き下げに伴う成人式のあり方について、10項目めの中小企業の人材不足への対応に向けた取り組みについて、12項目めの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会について、3点答弁させていただきます。
まず、9項目めの成年年齢引き下げに伴う成人式のあり方についてでございます。
令和4年度に新たに法律上の成年となります市内の中学3年生、高校1年生の生徒を初め、その保護者や和装レンタル事業者などの成人式関係者を対象に、令和元年7月から8月にかけましてアンケート調査を実施したところでございます。調査の結果といたしましては、いずれも成年年齢引き下げ後も20歳が望ましいとする意見が多数を占めてございまして、地域で成人式を主催しております各区の成人の日行事実施委員会におきましても、同様の意見であったというところでございます。
また、18歳の場合、進学に伴う受験や就職を控えた時期と重なりますことから、成人式に参加できない青少年がふえることが懸念されているところでございます。
以上のことを踏まえまして、札幌市といたしましては、令和4年度以降も、これまでと同様、成人式参加対象年齢を20歳とする方針としてまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、10項目めの中小企業の人材不足への対応に向けた取り組みについてでございます。
まず、1点目の生産性向上に向けた支援についてでありますが、市内の多くの中小企業におきまして人材不足が深刻な経営課題となる中で、企業が事業を継続できるよう、売り上げや利益を維持・向上するためには、生産性の向上が極めて重要であると認識をいたしております。
そのため、これまでも、ITを活用した新しい設備や業務管理システムの導入支援のほか、人材育成や経営の質の向上に向けたセミナーなどを実施してきたところでございます。今後は、昨年7月に設置をいたしました産業人材創出推進本部を核といたしまして、業界ごとのニーズの把握はもとより、工場へのIoTシステム導入支援の拡大でありましたり、さっぽろ人材サポートデスクを通じた業務改善ノウハウの提供など、生産性の向上につながるさまざまな支援に取り組んでまいりたい、このように考えております。
続きまして、2点目の雇用のミスマッチについてでございます。
全国的な売り手市場が続き、とりわけ中小企業の人材確保が困難となる中、早期離職につながりやすい雇用のミスマッチを解消していくことは、札幌市においても重要な課題であると認識をいたしております。
これまでも、職場実習を通じまして若者の雇用につなげるワークトライアルのほか、職場体験を希望する子育て中の女性と企業をつなぐここシェルジュSAPPORO、さらには、高齢者向け仕事体験つきのシニアワーキングなど、幅広くマッチングの機会を設けてきたところでございます。こうした施策に加えまして、大学生などを対象とするインターンシップ支援を新年度予算案に盛り込んだところでございまして、求職者が企業の魅力を発見できる機会を創出し、ひいては企業に働きやすい環境づくりを促していくことで、企業と求職者のマッチングをより一層充実してまいります。
12項目めの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会についてであります。
多くの市民にオリンピック・パラリンピックの魅力を感じてもらうためには、誰もが身近に、そして気軽に体験してもらえる場の創出、とりわけ感動と興奮を仲間や友人の皆さんと共有できる機会の創出が重要である、このように認識をいたしております。
そのため、多くの市民の皆さんが一緒に応援できるパブリックビューイングを市内各所で実施することを初め、大会前から道内市町村やスポンサー企業と連携したさまざまなイベントを実施するなど、オリンピック・パラリンピックの魅力を存分に楽しむことができる場を数多くつくってまいりたいと考えているところでございます。
加えまして、大会期間中には、まち並みに都市装飾を施し、祝祭感や高揚感を高めることで197万人の市民にとって忘れられない夏とするなど、2030年冬季オリンピック・パラリンピック大会の招致機運の醸成につなげてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
◎副議長(桑原透) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、11項目めの給特法の改正についてお答えをいたします。
まず、1点目の教員の1年単位の変形労働時間制についてでございますが、教育委員会といたしましては、1年単位の変形労働時間制を教員の長時間労働対策につなげるためには、政府見解と同様、学校全体の業務を削減するとともに、長期休業中に振りかえ休日を取得しやすい環境を整えることが重要であると考えております。
教員の負担軽減につきましては、これまで、ICT環境の整備のほか、部活動休養日の設定や勤務時間外の電話対応を留守番電話にするなど、さまざまな取り組みを実施してきたところでございます。今後は、引き続き、学校の業務改善等に向けた環境整備に努めるとともに、国から示される具体的な運用などを踏まえながら、変形労働時間制の導入の可否について慎重に検討を行ってまいりたいと考えております。
2点目の教員の勤務時間の上限時間についてでございますが、教育委員会では、これまで教員の長時間労働対策としてさまざまな取り組みを実施してきたところでありますが、さらに時間外勤務を縮減していくためには、これらの取り組みを進めていくとともに、学校管理職の勤務時間に対する意識を変えていくことも重要であると考えております。
現在、民間コンサルタントに委託をし、学校における長時間勤務の実態について調査・分析を行っておりまして、今後、この結果などを踏まえ、管理職を対象とした研修を新たに実施いたしますほか、教員の負担軽減につながる実効性ある取り組みを推進してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
(村上ゆうこ議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
◎副議長(桑原透) 村上ゆうこ議員。
◆村上ゆうこ議員 感染症対策について再質問させていただきます。
新型肺炎による感染者がふえてきております。高齢者や子どもたちなどへの集団感染を防ぐ取り組みなど、市民の皆様の不安が解消されるよう、市長が前面に立って正しい情報を市民に適切に提供するなど、対策を徹底していただきたいと思っております。
先ほどの市長答弁で、事態を掌握しながら市民の皆様が過度に不安になることなく対処していくとのことでした。市民の不安解消に向けた観点から、2点質問させていただきます。
1点目ですが、新型コロナウイルス対応支援資金です。
今月の10日から融資が始まったところなのですが、厳しい経営環境に加えて、コロナウイルスの影響などで企業活動がさらに厳しさを増す事態も生じています。
中小企業経営者の方にしっかりとこの応援資金の周知をすべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、不安定雇用者への対応です。
昨日、24日に、政府専門家会議が、これから1〜2週間が感染の急速な拡大に進むか収束できるかの瀬戸際との見解を出したところです。例えば、風邪とか発熱などによる軽い症状は、外出を控えて自宅療養をするようにということで呼びかけをしておりますけれども、会社員や特にパート、アルバイトなどの非正規雇用者を初めとする不安定雇用の人たちは、仕事を休むと収入が激減をして生活困窮に陥る可能性があることから、休むことができないなどの不安の声も耳にしております。
そこで、質問です。
不安定な雇用に従事する方々に対する支援をどのように考えていくのか、伺います。
◎副議長(桑原透) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 感染症対策についての再質問でございました。
1点目は、新型コロナウイルスの対応への支援資金の周知ということでございます。
これまで、取り扱い金融機関を通じて通知、あるいはプレスリリースによるマスメディアでの報道、ホームページ、メールマガジンなどによっての情報発信を行ってきたところであります。また、それぞれの企業に十分情報が届くように、2月20日には、札幌ホテル旅館協同組合を通じて、加盟101社にも情報提供を行ってきたところであります。
今後とも、経済団体あるいは業界団体などを通じまして、これらの資金の制度の周知を図っていくために、チラシの配布でありますとか、あるいは、中小企業向けに発行しております経済情報さっぽろといったところへの掲載を通じてさらなる周知を進めていきたい、このように思っております。
2点目の不安定雇用者等への対応ということでございます。
ここ1〜2週間での感染拡大を防止するための取り組みが重要だというふうに私どもも認識をしております。
そういう意味では、不安定雇用者を含む働く人々が発熱などの症状のある場合に、経済的な不利益をこうむることがないように安心して休むことができるように、事業者の皆さんに札幌市からも要請をしていくことを考えているところであります。これらも経済団体などを通じて各事業者への要請をしていきたい、このように思っております。
また、現実的に生活のお困り事が発生をした場合、コロナウイルスの影響によって生活の困り事がある市民からの相談に対しましては、区役所を初めとした各種窓口でしっかりと適切に対応していきたい、このように考えております。
◎副議長(桑原透) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月26日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎副議長(桑原透) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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◎副議長(桑原透) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後4時36分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 五 十 嵐 徳 美
副 議 長 桑 原 透
署名議員 佐 々 木 み つ こ
署名議員 山 口 か ず さ...